日時
2015年10月18日(日) 13:30-17:00
会場
内田洋行・札幌ユビキタス協創広場U-cala北海道札幌市中央区北1条東4丁目1-1 サッポロファクトリー1条館1階

高校生ICT Conference 2015 in 北海道 第二回 開催概要

日時:

2015年10月18 日(日)13:30-17:00

場所:

札幌ユビキタス協創広場 U-cala(内田洋行)
札幌市中央区北1条東4丁目1-1 サッポロファクトリー1条館1階

参加人数:

熟議参加生徒 37人
見学者 29人(教員・教育関係者・その他)
合計:66人

参加校:

北海道札幌手稲高等学校、北海道旭川工業高等学校、北海道札幌東豊高等学校、北海道札幌旭丘高等学校、北海道大麻高等学校

高校生、教員、企業関係者など66名の参加者を得て、「大人が作った子どものルール&マナーを考える」をテーマに高校生がグループに分かれて活発な議論と発表を行いました。

【リアル熟議】
主旨説明 羽衣学園高校 米田 謙三 先生
高校生ICT Conferenceの意義や目的とあわせて、本日の流れを紹介しました。また、11月の東京サミットに送り出す代表校選出の方法についても紹介しました。

開会の挨拶
北海道総合通信局情報通信部電気通信事業課 中野 正人 様
 フィルタリングに関する法律があること。自転車の乗り方を具体例として、インターネットとのつきあい方をお話しいただきました。あわせて、総務省の情報モラル・リテラシー向上の取り組みを紹介いただきました。

02 北海道総通中野課長.jpg

第一部  事業者による講演
「ルール&マナー」を考える際の予備知識
   LINE株式会社 政策企画室 高橋 誠 様
ルールを考える際、どのように考えればよいか、気をつけるべきことは何かについてお話しいただきました。
まず、「悪口を言ってはいけない」という具体例を出し、なぜこのルールを作る必要があるのか、どういう状態だと守られていると言えるか、どうやったら維持できるか、ということをお話しいただきました。
そして、インターネットの特徴(公開される、記録される、拡散する等)についても触れられ、特徴を踏まえて、ルールを作ることが目的になるとそこで思考停止してしまう。ルールを作る際は『最終的にどういう状態になることがよいか』『ルールを作ることが目的ではなく自ら考え続ける』ということをお話しくださいました。その上で、ルールを決めて実行するだけでなく、必要に応じてルールを見直す方法も事前に考えておくなど、PDCAサイクルを考えよう、とお話しいただきました。

03 LINE高橋さん.jpg

参加校 学校紹介 および グループ分け
 参加学校ごとに簡単な自己紹介を行いました。
 自己紹介で少し緊張感も和らぎました。その後、6つにグループ分けしました。

第二部:熟議「大人が作った子供のルール&マナーを考える」
グループに分かれ全国消費生活相談員協会北海道支部、(一社)北海道消費者協会、(一社)LOCAL、目白大学や事業者の方等がファシリテーターとなって、高校生熟議を開始しました。高校生たちは付箋紙に考えていることを提示していき、活発に意見を出し合っていました。ネットの問題について、大人が知らな過ぎるといった問題点を提示しつつ、その大人に向けた発信方法を検討しているグループもありました。ルールについて深く考え、分析したグループもありました。そこから、今回のテーマである「大人が作った子供のルール&マナーを考える」ことについて、「高校生だから言える提言」をキーワードに、付箋紙などを使いまとめていきました。付箋紙に書き出して貼り付けしていく中で、出された意見を整理分類して、最後に、グループごとにパソコンを使ってプレゼンテーションソフトでまとめました。細かなテーマにしぼった班や少し大きなテーマで取り組んだ班などいろいろとありました。
また、熟議には企業の方もサポータとして入っていただき、専門的な質問に答えてくださいました。

01 米田先生.jpgルール・モラル・マナー.jpgグループ熟議1.jpgグループ熟議2.jpgグループ熟議3.jpg

第三部:グループ発表
・グループ発表(各グループ4分程度)
 各グループ4分程度で発表を行いました。
各グループは、模造紙のまとめとプレゼンテーションソフトを上手に活用しながら堂々と発表していました。
 その後、引率の先生と各校の生徒代表が集まり、11月3日の東京サミットに行く代表校を選ぶ投票を行いました。
 その結果、北海道札幌東豊高等学校が代表校に選ばれました。

(グループ発表概要)
第1班 テーマ「私たちが気になったルール-子供に対するスマホの利用制限について」
・家庭で設ける時間制限ルールの良い点は、「自由な時間ができる。ネット利用時間が短くなる。家族とコミュニケーションが増える。」ということ。その他、セキュリティ面でも安心ということ。
・悪い点は「緊急時に連絡がとれない。友達とコミュニケーションが減る。」ということ。
・子供が納得できるルールを作るには、「親と子の使用条件は同じにする。やるべきことが終わったら自由に使える時間を与える。」ことを認めてほしい。また、「料金は親が払うのだから、言うことを聞きなさいという脅迫は止めてほしい。」という意見が出た。
・ルールは押しつけでなく、普段から親子のコミュニケーションを大切にし、しっかり話し合って決めると良い。

第2班 テーマ「僕たちの伝えたい事」
・大人が作ったルール&マナーで出された意見は、学校によってスマホの使用制限に違いがあること、フィルタリングで見られない情報があること。その他、使用時間と機能制限に関することである。
・高校生の私たちが伝えたいのは、ルールの目標をはっきりさせること。ルールが十分生かされていない面があるということ。フィルタリングで詐欺や有害サイトを完全に防ぎきれないのは、ルールが生かされていないのではないかということ。
・子供たちに大人の意見を押しつけないで欲しい。大人や親が決めたルールがきつすぎて必要な情報が得られない。話し合いで自由な部分を認めることも必要。
・ルールは誰がどのように作るのか。大人が勝手に作ったルールを押しつけるのではなく、子供と話し合って、お互いが納得できるものがいい。

第3班 テーマ「SNSを使いやすくするためには?」
・ルールの前提となる知識について問題点を考えた。「初心者にとって使い方がわかりにくい。専門用語が多い。マナーを学ぶ場がない。個人情報を守る手段を知る方法がない。」ということについて解決策を話した。
・私たちが考えた解決策は、実際に操作しながら使い方が覚えられる初心者向けのチュートリアルを追加する。リンクを貼って専門用語の解説を載せる。自分たちが知っているマナーを守ること。SNSも現実世界と同じという意識を常に持って使うこと。個人情報はできるだけ載せない。周囲の人にも注意することなどである。
・企業には、私たちが知る機会、学ぶ場所を作って欲しい。また、SNSなど偽名で登録できることについても説明を追加して欲しい。
・私たちができることは、現実でも「悪口は相手に言わない。」という意識をSNSにおいても常に持つこと。企業に対しては、使い方やトラブルが起きたときの対処について、初心者にもわかりやすい説明をお願いしたい。初心者である私たちが、一定の知識を持てばトラブルは減ると思う。

第4班 テーマ「将来のネットに関するルール・マナー」
・LINEの既読無視トラブル、相手が不快になるような発言、他人が不快になる画像や映像をツイートすることなど、身近にあるネットの問題を話し合った。
・携帯依存によって寝不足、学力低下、ネット依存によるコミュニケーション能力の低下など、現実に悪影響が出てきた。それで、ルールや決まりができた。2009年、石川県の条例で小中学生の携帯所持禁止ルールが決まった。しかし、これではモラルを育む機会を奪ってしまうと思う。小さい頃から段階的にルールやマナーを作っていくべきだと考える。

第5班 テーマ「大人たちよ!ボクたちに任せてくれ!!高校生のボクたちだから言えること」
・問題点としては、フィルタリングによって取得できるアプリに制限がかかってしまうこと。ネットも制限がかかり、必要な情報が閲覧できない場合がある。また、端末は、寝る前の使用禁止などは親が利用制限をかけている。SNSでは他人との会話が制限されてしまうという意見が出された。
・自分で使う以上、リスクは自分で考えることが必要。SNSで知り合った人に、会わないように注意することも重要。
・LINEやTwitterの仕組みを親が理解していないため、親の作ったルールは説得力がない。親も使ったうえで仕組みを理解して、親子が納得できるルールを作るようにするとよい。
・アプリの会社や携帯会社は売りたいがため、あまりデメリットを言わないだろうと私たちは思っている。親子で話し合ってルールを考えることが重要。
・小中学生は携帯を持ち始める時期であり、年齢に見合ったフィルタリングは必要。一定の年齢に達すればいらないと思うが、自分でどのようなサイトか判断できる能力を持つことが大切。
・依存者の声を聞いて欲しい。リスクはわかっているが、TwitterでLINE IDを交換している。フィルタリングしても抜け道がある。ルールも、依存している人には歯止めがない。本体を取り上げるのが一番。

第6班 テーマ「子供に課せられた規制」
・私たちはまだ責任をとることができない。大人からいろいろな規則を言い渡されるが、その規則について私たちは毎日考えている。たとえば、信号のない交差点をどうしても渡りたい時はどうするか。自分は車が多く通る道路でなければ、斜め横断してしまう。パソコンでアダルトサイトを見たいけれど、規則では禁止。皆さんはどうするか。規則を守ることは難しい。
・世代による常識の変化は思ったより大きく激しい。インターネット、SNSの普及で日々変化している。昔のルールに、さらにルールを付け足していくだけでは、私たちは納得できない。時代にあったルールに変えてしていく必要がある。
・大人たちが、子供が気に入らないルールを変えていく、というのは違う。変えていくにしても、いろいろな人の意見を取り入れると合わなくなってしまうものが出てくる。何でもかんでも子供たちが言うままにルールを変えると、リスクが増えることになって、ルールとして成り立たなくなる。何が良くて、何が危ないのかわかるように簡単に示すこと。子供たちには何が危ないのか、子供自身に考える機会を与えることが必要。

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全体講評:北海道情報大学 高井 那美 様
はじめに、「無事2回目が終わって良かった。今回で2回目の生徒さんは積極的に発言していたが、今日初めて参加した生徒さんも、負けないで真剣に意見を戦わせていた様子が伺え感心した。前回は事例や問題点を言うだけで良かった。今回は2回目ということもあり解決策を考えなければということで、それを具体的にまとめるのは難しかったと思う。」と話されました。
次に、各グループの発表について、以下のとおり講評をいただきました。

第1班 
・家庭での親子のコミュニケーションに着目して、それを大切に思っていてくれていることがうれしかった。

第2班
・ルールの必要性について、どうしてルールが必要なのか。目標をはっきりさせなくてはいけないのか、こだわりをもっていた点が良かった。

第3班
・解決策に注目し、どう解決すればよいか丁寧に話していた。
・特に、企業に対し学びの場を作る要望を出していたのが良かった。

第4班
・何かうまくできないと、それがかえって厳しいルールに繋がることに着目していた。
・親への啓発も含めて、小さい頃から段階的にマナーを学ばせる提言が良かった。

第5班
・タイトルが「ボクたちに任せてくれ」と頼もしかった。
・一旦良いことを言っておきながら、最後に依存者の声として心の本音を聞かせおもしろい構成。そこがルールづくりの難しさを物語っており、実際守らせるにはどうしたらいいか難しい、というのが依存者の生の声でわかった。

第6班
・時代とともにルールを更新しないといけないところを強調していた。
・話し方の導入は、つかみはオッケーという独創性を感じて良かった。

最後に、「ルールをどう守らせるかというところに、今日は至らなかった。ルールをこうしたら、ああしたらと言うのは簡単。皆さんなりのルールが出なかったように感じる。自分たちが大人をあっと言わせるルールまで出せなかったのではないか。皆さんがこれからのネット社会を引っ張っていく。これから、どういうルールを作って、どう守らせていくのかを皆さんに考えてもらいたい。自分たちで何とかしたいという思いは伝わった。よりよいネット社会を皆さんで作ってもらいたい。若い皆さんの意見を直接聞けて勉強になった。」と全体講評をお話しいただきました。

最後に、米田先生から「今日で終わりではなくて、学校に戻ってぜひこの取組を広げてもらいたい。」と話がありました。

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「開催報告書」他

高校生ICT Conference2015_開催報告書(北海道_第2回)
高校生ICT Conference2015_グループ発表資料(北海道_第2回)
高校生ICT Conference2015_アンケート集計(北海道_第2回)