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高校生ICT Conference 2020 in 長野

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開催概要

日時:

2020年10月17日(土) 14:00-16:00

場所:

Zoomよるオンライン開催

参加人数:

熟議参加生徒 26人
見学者    18人(教員・教育関係者・その他)
合計     44人

参加校:

長野県松本工業高等学校
長野県松本美須々ケ丘高等学校
長野県明科高等学校
長野県松本深志高等学校
長野県松本県ケ丘高等学校
長野県北部高等学校
長野県高遠高等学校
(順不同) 

高校生、教員、教育関係者など44名の参加者を得て、「新しい生活様式とICT活用法 ~行動制限の時代に生きる~」をテーマに、高校生が学校ごと事前に議論して発表し、高校生同士が質疑応答等を通して考えを深めました。

今年は新型コロナウイルス感染症対策から、Zoomを使用したオンラインによる開催としました。

 

≪開会あいさつ≫

(長野県教育委員会 心の支援課長 松村 明 氏)

長野県での開催も6回目を迎え、初めてオンライン開催としました。高校生が今年度のテーマに沿ってICTの利活用について考え、行動していくことは大きな意義があると思います。皆さんには、自己はもとより社会により良い影響を与えるような高校生になってほしいと思います。

 

(総務省信越総合通信局 情報通信部電気通信事業課 課長 太田 伸一 氏)

新型コロナの影響でICTの活用が拡大している一方で、不正な使用や誹謗中傷という問題が顕在化しています。インターネットは日常生活に必要不可欠なものとなっており、正しく活用するよう努めて欲しいと思います。

 

≪第一部:Presentation①、参加校発表≫

小テーマ「行動制限の中で、どのようにICT機器を使っているか」について、事前に各校で意見交換した内容を、プレゼンテーション・ソフトを画面共有しながら、3分間で発表しました。新型コロナウイルス感染症拡大防止等のため、学習や日常生活(コミュニケーション等)においてどのようにICT機器を使用しているかについて、近況や感じている課題等を発表しました。

発表と全体で15分間の質疑応答を通して、ICTの利活用についてのメリットや可能性を出し合う一方で、デメリットや危険性、注意が必要なことなどについても、高校生の目線で気付いたことを共有しました。

 

(各学校の発表要旨は以下の通り)発表順
【長野県松本県ケ丘高等学校】

本校はICTの活用が比較的進んでおり、iPadを使ったオンライン授業や、コロナ禍での文化祭などで、今年度大きな進歩を遂げるとともに、様々な課題も見えてきた。今後は、生徒会活動をしていく上で、自分達が先頭を切ってよりICTを活用しながら、全校、さらに校外の人たちも巻き込んだ活動をしていきたい。

 

【長野県松本美須々ケ丘高等学校】

生徒会では毎年「みすずっこミーティング」という生徒がテーマごとに集まっての話し合う活動をしている。今年はICTやネットの利用についてがテーマだった。SNS、LINE、ゲーム、休校中の動画授業などの使用現状を踏まえ、生活リズムの崩れと時間の管理の難しさ、学習に集中できない状況、ネット環境の格差等の課題を浮き彫りにした。

 

【長野県北部高等学校】

行動制限の中で、友達とのコミュニケーション、初めての体験だったオンライン授業、コロナウイルスに関する情報集めなどにICT機器を利用した。その中で、「間違った情報が流行し翻弄されてしまう」「スマホは中毒性が高く見ていないと不安になる」「顔が見えないからきつい言葉で伝えたり誹謗中傷につながったりする危険性がある」など、課題についても改めて確認できた。

 

【長野県高遠高等学校】

生徒総会や新役員の立会演説会は、Zoomを使用して会議室本部と各HR教室をつないで行った。委員会の連絡もLINEで行うようにしている。また、臨時休業中の授業もリモートやYou Tubeで行われた。

 

【長野県松本深志高等学校】

コロナ禍で初めてオンライン授業を体験した。家にいても授業が受けられるというメリットがあった一方で、「オンライン予備校で代用可能ではないか」「生徒の自主性に頼らざるを得ない」「生徒と先生の関係が成立しにくい」「通信環境に頼っている」というデメリットもあった。特に、高校とオンライン予備校との差別化や通信環境の整備などについて課題を感じた。

 

【長野県松本工業高等学校】

Google Classroomを利用して課題提出や授業を進めた。その中で「いつどこからでも提出することができるので時間に余裕が生まれる」「紙を使わなくてもよいので資源を節約できる」「先生が集計しやすい」などのメリットを感じる一方、「ICT に慣れていない人はむしろ時間がかかってしまう」「課題の送信が失敗してしまうと提出期限に間に合わない場合がある」といったデメリットも感じた。しかし、コロナ禍で、これまでとは異なる使い方をすることによって、より ICT が身近なものになるとともに、ICTの便利なところばかりだけではなく問題点に目を向けやすくなった。

 

【長野県明科高等学校】

Zoomを利用したSHRや生徒総会、Google Classroomを利用した課題提出などを行った。また、インターネットを活用して文化祭を行ったり、海外の人とも交流した。このような状況下で、生徒、保護者及び教職員にアンケートを実施したところ、ICT機器への知識や活用に対する意識に個人差があることが分かった。ICT機器利用の機会が急速に増えたことで、その可能性と課題が見えた。

 
 

≪第二部:Presentation②、参加校発表≫

大テーマ「新しい生活様式とICT活用法 ~行動制限の時代に生きる~」について、事前に各校で熟議した成果を、プレゼンテーション・ソフトを画面共有しながら、3分間で発表しました。「今後の学習や日常生活の中で、ICT機器をさらに上手に活用していくために、私たちには何が必要なのか」「次代を担う高校生として心がけるべきことは何か」「大人に検討してもらいたいことは何か」などを発表し合いました。

発表と各校3分間の質疑応答を通して、ICT利活用の可能性と留意点を高校生の目線で指摘し、社会や大人に対する高校生らしい提言をしました。

 

(各学校の発表要旨は以下の通り)発表順
【長野県松本深志高等学校】

高校とオンライン予備校との差別化を明確にするために、人との接点を通じ他人と交流することで人格を形成する、という高校教育の大切な意義を踏まえ、地域の方、大学生、社会人などと交流するようなイベントにもっと関わりたい。大人には、通信環境の整備を進めるため、オンライン機器の支給および学校内オンライン環境の充実を図ってもらいたい。

 

【長野県高遠高等学校】

生徒会の連絡はLINEで行いミーティングの機会を減らしたり、中学校とリモート会議を行い交流を図っていく。今後はICTを利用してコミュニケーションをとることがさらに重要となるが、ネットによる誹謗中傷に注意しなければならない。スマホによるいじめやからかいをなくし、安心した学校生活を送るためにはどんな活動が必要か、生徒会で考えていきたい。

 

【長野県松本工業高等学校】

私たちは「スマートマスク」の開発とその活用による新しい生活様式を提案したい。私たちが考えた「スマートマスク」とはスマートウォッチの機能を持たせたマスクで、温度センサーを内蔵し体温計測を行ってデータを記録、気になる体調の変化もアプリに入力して記録させる。「スマートマスク」をつけることで簡単にヘルスチェックができ、健康状態を提出する場面でもデータをそのまま送信できる。新型コロナウイルスに感染してしまった場合も、それまでの経過をすぐに医療機関に報告して健康状態を考慮した治療ができる。新型コロナウイルス接触確認アプリCOCOA と連携しデータを活かすこともできそう。また、マスクをつけるメリットに着目して、これまでマスクをつけるのを嫌がった人もつけるきっかけになる。

 

【長野県松本美須々ケ丘高等学校】

新しい生活様式の中でICTをよりよく活用するために、私たち自身はもっと学習用に使う意識をもち、ICT機器を勉強用と学習用に分けたり、使用時間を上手に割り振ったりしたい。また、正しい情報と誤った情報を見分け、ICTも時と場合によって使用方法を分けることが大切。また、情報モラルを学ぶ機会を積極的にもっていきたい。

 

【長野県松本県ケ丘高等学校】

このようなことができればよいと考えている。スマホ依存症になる危険性を回避するために、授業中はスマホを使って学習し、休み時間はスマホをしまって友だちとの会話などを楽しむ。視力の低下を防ぐために、学校で目の体操を行ったり、ブルーベリーを配布したりする。誹謗中傷を予防するために、リアルな人間関係の重要性を確認できるような機会(生徒会や学校が企画した行事)を月1回提供する。

私たちはこれから様々な機器を取り扱う役割を担っていくことになる。情報化社会の先頭に立って、日本そして世界を担っていきたい。

 

【長野県北部高等学校】

今後の学習や日常生活の中で、ICT機器をさらに上手に活用していくために、「セキュリティー面をきちんと理解する」「すべてをICT機器に頼るのではなく、対面授業など人と人とのコミュニケーションも大切にする」「使い始める前に、ルール、マナー、モラルをきちんと確認した上で使用する」「長時間の画面視聴は目が疲れるため、時間を決めてメリハリをつける。」

 大人に検討してもらいたいことは、「学校から一人一台タブレットを支給してほしい」「学校へ入ったりロッカーを開けたりする際は、指紋認証や顔認証が必要なようにしてほしい。」

 

【長野県明科高等学校】

今後、高校生は、先生が行うオンライン授業を受動的に受けるだけでなく、写真画像やPDFにマーカーをつけて覚える学習用アプリを利用するなど、能動的にICTを活用していきたい。ICTを活用すれば、遠隔地の人、異業種の人、異世代の人などとの交流も広がるので、そのような利点を生かしていきたい。

また、QRコードを利用して手軽に学校生活アンケートを行い、私たち高校生はもちろん、保護者や先生などの意識も調査し、それを共有することで、全体の課題解決を図っていきたい。ICT機器やSNSは便利なツールだが、生徒会で「SNSからちょっと離れてみるday」を提案し、ICT機器との関わりについて考える機会も設けたい。

 
 

≪サミット代表選考・発表≫

(サミット代表 長野県明科高等学校 村上 詩緒里 さん)

参加生徒により互選され、長野県代表として、本日の成果を全国に伝えていく決意が語られました。

 

≪講評≫

(子どもとメディア信州 矢澤 智都枝 氏)

素晴らしいカンファレンスでした。ICTの課題と可能性が明らかになりました。情報モラルを身につけ能動的にICTを活用している皆さんに3つのメッセージを送ります。①ICTだけでなくリアルも大切にして豊かなコミュニケーションを図ってください。②「情報」も三密だと真実が見抜けません。鵜呑みにしないで風通しをよくして考えましょう。③皆さんは後輩たちの良きモデルです。小中学生に啓発する機会を是非つくってください。

 

≪感想発表≫

各校の参加生徒が、本日の感想を述べ合い、今後のICT機器との関わり方やICTの利活用などについて、抱負を共有しました。

集合

「開催報告書」他

pdfファイル ■2020年度高校生ICTConference_イベント開催報告書(長野)

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