2014年12月12日(金)、秋田県秋田市「秋田県庁第二庁舎 8階大会議室」において、「第14回 青少年のインターネット利用環境づくりフォーラムin秋田」が開催され、約100名の方に参加いただきました。フォーラムでは、午前中に企業講演、午後は有識者による基調講演と関係者によるパネルディスカッションを行いました。

第14回 青少年のインターネット利用環境づくりフォーラムin秋田

講演①

変わりゆく子どもたちのインターネット利用環境と段階的なネットデビューについて

講師:長谷部 一泰氏(子どもたちのインターネット利用について考える研究会 事務局/アルプス システム インテグレーション株式会社)

 子供たちのインターネット利用について、成長や能力に合わせた段階的利用が重要であるとお話を頂きました。その中で子供の能力を見極めるステップを、「体験期」「初歩的利用期」「利用開始期」「習熟期」の4つに分け、保護者はその段階に応じて適切に子供を見守っていることが重要であり、一般的な社会のモラル等に加えて利用するネットサービスの特性や機器の特色を理解して子供と接することが大切であるとご説明頂きました。また地域のリーダーを育てる取り組みを秋田県と一緒に進めており、啓発活動を行っているとのご説明を頂きました。

写真:長谷部氏登壇の様子

講演②

疑似体験で学ぶスマホにひそむ危険

講師:工藤 陽介氏(デジタルアーツ株式会社 経営企画部 コンシューマ課)

 デジタルアーツが提供する『スマホにひそむ危険 疑似体験アプリ』の画面を見ながら、具体的に「未成年者のスマートフォン利用に伴う危険」について参加者に分かりやすくお伝え頂きました。コミュニケーションアプリの特性やそのIDを交換するための掲示板の危険性、また青少年の安全なインターネット利用に対しては、家庭でのルール作りに加えてフィルタリングソフトの導入が有効な手段であると、ご説明いただきました。

写真:工藤氏登壇の様子

講演③

ケータイ・スマホの進化とネットセキュリティ

講師:渡邉 昭裕氏(KDDI 株式会社 渉外・広報本部 渉外部 業務グループ マネージャー)

 携帯の進化の歴史、3GとWIFIのネットワークの仕組み、ブロッキングの仕組み、ウェアラブルなどの携帯の未来についてお話いただきました。それらを踏まえた上で、現在のスマートフォン時代のネットリスクと子供の利用状況を大人がしっかりと把握することがまず重要であり、子供をネットの危険に会わせないためには、家庭でのコミュニケーションを取ることが重要であることをご説明いただきました。

写真:渡邉氏登壇の様子

基調講演

地域における保護者啓発 ―秋田県の取り組み―

講師:坂元 章氏(お茶の水女子大学 教授)

 座長を務める「子どもたちのインターネット利用について考える研究会」における活動成果と課題についてご説明を頂きました。特に開催の秋田県と「大人が支える!インターネットセーフティの推進」の取組み成果として成果事例をご紹介頂きました。保護者の実力は今後ますます必要とされ、その実力向上においては、地域に対する複層的で集中的な啓発が望ましいと、最後に締めくくられました。

写真:阪元氏登壇の様子

パネルディスカッション

青少年のインターネット利用環境整備に関する地域連携の取組について

コーディネーター:
曽我 邦彦氏(社団法人日本PTA 全国協議会 元会長/安心協 副会長)

パネリスト:

坂元  章氏 (お茶の水女子大学 教授)
高橋 大洋氏 (子どもたちのインターネット利用について考える研究会 事務局)
加藤 寿一氏 (秋田県PTA連合会 会長)
森川 勝栄氏 (秋田県 教育庁 生涯学習課 社会教育班 社会教育主事)
岡  元紀氏 (総務省 東北総合通信局 情報通信部 電気通信事業課 課長)


 はじめに各パネリストの取り組みについて自己紹介がありました。

 高橋氏からは子どもネット研として取り組んでいる保護者啓発に関して、保護者の中での層別アプローチや秋田県のような地域密着型手法による活動についてご説明を頂きました。加藤氏からは秋田県PTA連合会として取り組んできた啓発活動等の歴史を振り返り、今後の活動指針や日本PTA全国協議会との取組みについてご説明を頂きました。森川氏からは「大人が支えるインターネットセーフティの推進」という形で、社会全体で子供たちをインターネットによる有害情報から守り、子供たちがインターネットを健全に利用できるよう、安全で安心なネット環境整備を進めていく方向性をご説明頂きました。

 岡氏からは総務省総合通信局の説明と啓発活動の内容・出張講座の現状課題、総務省で行った調査の結果等をご紹介頂きました。意見を交わしていく中で、保護者啓発に関する様々な関係者を取りまとめる役割を行政が担って先導をしていく形が理想的であること、またフィルタリングを使って有害な情報を遮断しつつ、成長段階に応じてうまく活用していく必要があると、最後に締めくくられました。

写真:パネルディスカッションの様子写真:コーディネーター曽我氏