2014年10月30日、ロワジールホテル函館において「インターネット上の有害情報から青少年を守る道民フォーラムin函館」が開催され、安心ネットづくり促進協議会が共催しました。課題関係者による講演と2つの高校演劇部によるスキットを行い、約250人の方が参加されました。まず主催者挨拶に続いて、北海道警察より道内の青少年のケータイ・スマホ保有状況、サイバー犯罪の事例等の説明があり、保護者のみならず社会全体で見守っていくことが必要と話されました。

インターネット上の有害情報から青少年を守る道民フォーラムin函館

講演①

子どもの脳をいかに育むか
~ネットにのめり込むことによる脳の発達・育成への影響~

講師:澤口 俊之氏(脳科学者)

 「ネットをやりすぎると必ず中毒になるわけではないが、脳の前頭前野におけるドーパミン系の異常によって中毒になる可能性があり、その場合、五感は失わないが、人間性や将来の夢、やる気、主体性は失われる危険性がある。うつ病にもなりやすい。中毒を避けるためには隔離法や制限法(1日2時間以内)が考えられるが、8才くらいまでの幼少期は、ピアノやそろばんを習ったり、サッカーやスポーツに熱中したりして、ネット機器にはまるような使い方は避けてほしい」というお話をいただきました。

写真:澤口氏登壇の様子

スキット①

個人情報流出なう。

出演:北海道函館中部高等学校演劇部

 高校女子生徒が個人情報の不適切な書き込みとフィルタリングをしていないことから知らない男性に付きまとわれるという現実に起きそうなスキットを演じていただきました。

写真:スキット 北海道函館中部高等学校演劇部の様子

スキット②

ほんの小さなつぶやきから・・・

出演:遺愛女子高等学校演劇部

 ネットの掲示板に、ちょっとしたいたずらを書き込んだことから警察に逮捕されるまでになってしまうという、ネット上の出来心による書き込みに警鐘を鳴らすスキットを演じていただきました。

写真:スキット 遺愛女子高等学校演劇部の様子

講演②

ソーシャルメディアガイドラインのススメ

講師:石原 友信氏(安心ネットづくり促進協議会 事務局長)

 各地域でのネットルールづくりの最新動向と中高生自身による先進的なルールづくりの事例、また、ネット上で問題が起きやすいソーシャルメディアを賢く使うためのガイドライン例についてポイントを説明しました。

写真いし

講演①

聖心女子大でのソーシャルメディアガイドラインの取組み
~SNSの学生指導ソーシャルメディアガイドラインの取組み

講師: 小城 英子氏(聖心女子大学 准教授)

 SNSのトラブルは、自己責任となる自己情報の公開リスクと、他者に被害を及ぼす犯罪的な可能性があります。聖心女子大学では学生自身を守るために、学生委員会で議論を重ね、ガイドラインづくりに取り組まれました。授業を通じた指導では学生の意識向上が見られましたが、期待する対象者ほど危うく、SNSの使い方を変えない状況も散見されました。また、ネットコミュニケーションの特徴として、文字や音声だけのコミュニケーションよりも、しぐさや身振り手振りのコミュニケーションのほうが情報量が多く、対面での会話の優位性と、SNSコミュニケーションの難しさを説明いただきました。ネットいじめはリアルのいじめよりも凶悪化しやすいこと、リアルの対人スキルがネットにも反映されることなどが解説されました。最後に、学校でのソーシャルメディアガイドライン取組みと併せて、家庭でのルール作りや話し合い、フィルタリングの適用が重要であるとお話しいただきました。

写真:小城氏登壇の様子