2014年8月6日、徳島県徳島市「とくぎんトモニプラザ(徳島県青少年センター)」にて「第9回青少年のインターネット利用環境づくりフォーラムin徳島」が開催され、約200名の方にご参加いただきました。フォーラムでは基調講演のほか「地域連携の取組み」についてパネルディスカッションが行われました。

青少年のインターネット利用環境づくりフォーラム in 徳島

基調講演

『ネットを安全・健全に活用する力を育む』
~自ら気づき考える子にするために大人ができること~

講師:尾花 紀子 氏(ネット教育アナリスト/安心ネットづくり促進協議会 普及啓発広報委員会・副委員長)

フォーラム参加者(教職員、指導員、補導員等)にあわせ、子供や保護者に指導する側へのメッセージを、具体的事例や予防・対処方法を交えて、お話をいただきました。
高校を卒業すると、デジタル機器が不可欠な社会を自分の力で歩まなければならない子供たち。だからこそ「安全」かつ「健全」に「状況に応じて」使う習慣を身に付けることが大切として、子供や保護者を正しく導くための要点を「ネット時代の青少年育成で意識したい基本知識と7つのポイント」で紹介。大人は「○○はダメ」と規制したり、「こうしなさい!」と説くばかりで、子供たちに"深く考えさせる"ことをなかなかしない。「自分で自分をコントロールできる子供を育てる」ためには、子供との向き合い方や学校や家庭でのルール作りが鍵で、子供と対話が不可欠。もちろん、家庭での環境づくりの面から保護者の役割も重要。子供と保護者を上手に導き、小中高生の時に「相手の気持ちを気遣う意識を高め、育んでほしい」とお話をいただきました。

写真:尾花先生登壇の様子

パネルディスカッション

「青少年のインターネット利用環境整備に関する地域連携の取組について」

コーディネーター:
曽我 邦彦 氏(安心ネットづくり促進協議会 副会長/社団法人日本PTA全国協議会 元会長)

パネリスト:
尾花 紀子 氏(ネット教育アナリスト/安心ネットづくり促進協議会 普及啓発広報委員会・副委員長)
大前 和美 氏(徳島県警察少年サポートセンター 所長)
横山 鉄也 氏(徳島市青少年育成補導センター 所長)



はじめに、大前氏より徳島県の「子どもが使用するスマートフォン・携帯電話・ゲーム機等のフィルタリング普及啓発活動」として、小中高での取り組みや携帯電話販売店の対応状況、普及啓発活動の実施状況等、各種調査結果や実績に基づき、徳島県の現状についてご報告をいただきました。その後、横山氏から、補導センターが実施したアンケート調査結果に基づき、この3年間を比較し意識・取組みがどのように変化しているか徳島県の状況についてご報告いただきました。
パネルディスカッションでは、「使い方によって生じる本当の恐さを知らない」「家庭のルールがあれば8割以上の子どもたちは守っている」「大人がいい見本を見せる、悪い見本とならない」「世間の事例を話題として子供たちといっぱい話をしてほしい」「<親力><先生力>を発揮しよう」「デジタルの世界も現実も同じということを大人は知ろう」「昔の家庭教育を取り戻そう」等の意見が交わされました。
これからインターネットが当たり前のように道具として使い時代になってくる。安全・健全に賢く使うためには、コミュニケーション能力・リスク回避能力を高め、世界の人たちと上手く交流していかなければならない。そのためには、「子供たちが自ら考える力」を発揮させることが重要で、大人が子供たちのルールを作るのではなく「子供たちが向き合いながらルールを作る」、その環境を作るのが大人の役割、子供たちがそのリズムに乗る、教育の第一歩ではないか。それが、「自分で自分をコントロールできる子供を育てる」ことに繋がる。ヒントは全国いたるところにあり、半年で大きく変わるので、徳島のこれらの取り組みを実践し、「徳島から全国に発信していこう」と締めくくられました。

写真:パネルディスカッションの様子