2014年11月24日、「ハワイアロハホール」において、文部科学省委託事業「ネットモラルキャラバン隊」が開催され、安心ネットづくり促進協議会が共催しました。基調講演とパネルディスカッションを行い、約300人の方が参加されました。

ネットモラルキャラバン隊

基調講演

「ネット社会の子育てと【心】【体】【将来】の安全を考える~PTAが知っておきたい、気をつけたいこと、今すぐできること~」

講師:尾花 紀子氏(ネット教育アナリスト/安心ネットづくり促進協議会 普及啓発広報副委員長)

 尾花先生の基調講演では、デジタルが進化し、インターネットに接続できる端末も多様化し、環境が急速に変化する時代において、インターネットを安全に安心して賢く使える子供を育むためには、日常の会話で子供達の状況が把握できるような家庭環境づくりが大切であること、また、子供との対話の中で子供達自身が自分でコントロールできるルールを決めることや規範意識とマナーを育てることが必要であるとのお話をいただきました。

 また、それらの課題に対して「関係者が何をできるのか考えましょう」と問題提起もされ、パネルディスカッションへとつないでいただきました。

写真:尾花先生登壇の様子

パネルディスカッション

会話から対話へ ~子供と話そうネットのこれから~

コーディネーター:
曽我 邦彦氏
(安心ネットづくり促進協議会 副会長/日本PTA全国協議会 元会長)

パネリスト:
泉 潤一氏
(文部科学省 スポーツ・青少年局青少年課長(併)参事官(青少年健全育成担当))
尾花 紀子氏
(ネット教育アナリスト/安心ネットづくり促進協議会 普及啓発広報副委員長)
工藤 陽介氏
(デジタルアーツ㈱ 経営企画部 コンシューマ課 担当課長)
井上 洋子氏
(鳥取県PTA協議会 会長)


  • 泉氏説明要旨
     子供達の健全なインターネット利用環境を作るために、文部科学省としては学校現場のみならず、PTAや関係団体、また、各関係府省庁と連携して取り組んでいくことが大切である。引き続き取組んでまいりたい。
  • 尾花氏説明要旨
     情報モラルの醸成には時間がかかる。家庭と学校、サービスを提供する事業者等の連携した取り組みが大切であり、ルールを守れる子供を育てるために話し合うプロセス・対話が大切である。
  • 工藤氏説明要旨
     フィルタリングを活用することはリテラシー向上のきっかけになるということを意識し、スマートフォンという道具を活用する力を育てていくことが重要である。サービス提供事業者も子供向けだけでなく保護者向けの啓発活動を専門知識を提供する場として開催しているのでぜひ活用して欲しい。
  • 井上氏説明要旨
     鳥取県PTA協議会でも保護者からインターネットに関する研修会開催の要望が増えてきている。インターネット環境の変化が速い社会では、保護者が学んでいく姿勢が大切。今回の研修会で参加者が学んだことをどうPTA活動の中で生かしていくかが大切。保護者自身が考え、行動で示していくことが大切である。

 また、会場からは「保護者は技術的な面でついていけない」「教育現場での対応も必要なのではないか」といった意見等も寄せられ、パネリストだけでなく、客席に参加した関係者も交えて活発な議論が行われました。

 最後に、コーディネーター・曽我氏から、青少年が賢く適切にネット利用をするために、ルールづくりをしていくこと、またルールを作るまでのプロセスとして、保護者や教育関係者、青少年を取り囲む関係者が子供を見守りながら、コミュニケーションの機会を増やしていくこと、また自分の身を自分で守れる子供を育てていくことが重要であるとのお話で締めくくられました。

写真:パネリスト登壇の様子