2014年2月1日、「山形県生涯学習センター(遊学館)」において、文部科学省委託事業 ネットモラルキャラバン隊「山形県PTA連合会 研修会」が開催され、安心ネットづくり促進協議会が共催しました。基調講演とパネルディスカッションを行い、200人の方が参加されました。

会場全体の様子

山形県PTA連合会 研修会

基調講演

スマートフォン・SNS時代における家庭のルールづくりは?

講師:桑崎 剛氏(熊本市立総合ビジネス専門学校 教頭/安心ネットづくり促進協議会 特別会員)

桑崎氏の講演では、「技術の進歩により、携帯電話やスマートフォン以外にもゲーム機、音楽プレーヤーやデジタルカメラでもインターネットに繋がる状況となっている。また今の子供たちは、最初からインターネット社会の中で育ってきているため、保護者の育った環境とは全く異なっている。そうした中で、子供たちに安心・安全にインターネットを使わせるためには、ルールづくりが必要となる。昨年、若者の悪ふざけ投稿が社会的な問題となったが、そもそもそのような行動自体がなされてはならないものなので、個々の社会規範意識を育てることが重要となる。また、ネットの課題としては、人間関係トラブル(ネットいじめ等)、情報発信トラブル(不適切投稿等)、健康面の課題(ネット依存等)、情報セキュリティ(ウィルス対策ソフト、フィルタリング等)、経済課題面(コンプガチャ等)がある。」と現状課題をご説明いただきました。
「課題解決に向けては、親子で話し合って明確なルールのもと使っていくことが必要でそのルールを話し合って作っていく過程が最も大事である。」と締めくくられました。

講師 桑崎剛氏講演の様子

パネルディスカッション

子供たちのネットモラルを高めるためにどう取組むか?

コーディネーター:
曽我 邦彦氏(日本PTA 元会長/安心ネットづくり促進協議会 副会長)

パネリスト:
桑崎 剛氏(熊本市立総合ビジネス専門学校 教頭/安心ネットづくり促進協議会特別会員)
野村 哲也氏(文部科学省 スポーツ・青少年局参事官(青少年健全育成担当)付推進係)
伊藤 憲一氏(山形県大石田町立大石田中学校 校長)
氏井 由隆氏(山形県PTA連合会 理事/楯岡中学校PTA 会長)
小木曽 健氏(グリー(株) 経営基盤本部 政策企画部 安心安全マネージャー)


山形県でのインターネット利用に関して抱える諸問題(依存、いじめ等)について、それぞれの立場から実態や悩みと取組みが述べられました。それらを踏まえて、青少年の保護、育成に向けて我々が行うべき行動等について活発な議論がなされました。携帯電話のフィルタリングに関しても、不便なものではなく、将来大人になった時の保護の無い自由な世界で安心・安全にインターネットを使えるようにする育成プログラム(年齢に応じた利用により徐々に使いこなしていく/経験していく)であるという認識を持つことが大切であるとの意見がありました。また、企業側からパネルディスカッションに参加したグリー 小木曽氏は、わからないことがあれば、我々企業をうまく活用してほしいと述べられました。(要請があれば、説明会等を行うことも可能)
会場からの質問の一つに、保護者向けにこのような啓発活動を実施したいが、「多くの保護者を集められる機会が少ない。」また「聞いてほしい人が来てくれない。」といった悩みもある。との相談に関して、1回の人数は少なくても、それを数多く実施して、全体的に参加数を増やしていく地道な活動が重要であるとの発言がありました。
最後に、コーディネーターの曽我氏が議論の中身を総括し、パネルディスカッションは盛況のうちに終了しました。



登壇者の方の様子
写真:曽我氏登壇の様子