2015年2月14日敷島総合文化センターで、「ねっとモラル研修会」が開催され、安心ネットづくり促進協議会が協力しました。基調講演とパネルディスカッションを行い、約90人の方が参加されました。

ねっとモラル研修会

基調講演

スマホ・SNS時代を生きぬく情報モラルの力

講師:桑崎 剛氏(安心ネットづくり促進協議会 特別会員/熊本市立総合ビジネス専門学校 教頭)

 基調講演では、携帯電話やスマートフォン以外にもゲーム機、音楽プレーヤーやデジタルカメラなどのデバイスが多様化している環境が説明されました。子供たちは、幼児期からインターネット社会の中で育ってきているため、保護者が育った環境とは全く異なっていることなどをお話しいただきました。そうした中で、子供たちに安心・安全に、また適切にインターネットを使わせるためには、ルールづくりが重要であることや社会規範意識を育てることが基本であるとのお話がありました。

 また、「①人間関係」「②情報発信」「③健康課題(体と心の健康)」「④情報セキュリティ」「⑤経済課題」の5つの課題を挙げられ、「それらの課題に対して関係者が何をできるのか、みんなで考えましょう。」と問題提起もされ、パネルディスカッションへとつないでいただきました。

写真:桑崎氏登壇の様子

パネルディスカッション

子供のネット利用の状況と対策を知っていますか? ~ペアレンタルコントロールとは~

コーディネーター:
桑崎 剛氏(安心ネットづくり促進協議会 特別会員/熊本市立総合ビジネス専門学校 教頭)

パネリスト:
大沢 栄子氏(山梨県PTA協議会 副会長)
法田 貴之氏(グリー(株) CEO Office本部 マネージャー)
山梨県内高校生、山梨県内中学生


(大沢氏発言要旨)
 2014年、山梨県PTA協議会の会合で子供達の学力ランキングや家庭での学習時間が全国平均より低かったり短くなっている一方で、携帯電話やスマホで通話やメールをしたり、インターネットを利用する時間が長いという調査結果が示された。その調査結果をきっかけに山梨県PTA協議会、山梨県高等学校PTA連合会、山梨県私立中学高校PTA連合会の3団体でスマートフォンや携帯電話利用の5つのルールを作った。子供自身に適正な使い方を理解させるとともに、保護者も一緒になって考え、この取り組みを県民運動として進めていきたい。

(法田氏発言要旨)
 スマートフォンやインターネットというツールを適切に活用する力、子供達自身で考え、インターネットの情報を正しく判断する力を育てていくことが重要である。子供向けだけでなく保護者向け出張講演の開催や教材・冊子なども提供しているのでぜひ活用して欲しい。

(高校生発言要旨)
 自分の学校では90%以上がスマートフォンなどを利用していると思う。生徒会の活動として、「人の悪口をインターネットに書き込まない」「悪質なサイトに入らない」などの誓約書をクラスごとに作成して、掲示するなど取り組みを行っている。

(中学生発言要旨)
 自分の学校では50%くらいが携帯電話やスマートフォンを持っていると思う。学年集会などで先生から携帯電話やスマートフォンの利用についての注意がある。友達同士では主にコミュニケーションアプリを活用して連絡を取り合っている。
 アプリを使ってのコミュニケーションと対面でのコミュニケーションとは使い分けている。

 会場の参加者からは、保護者のフィルタリングやインターネットに関する知識が乏しいことが課題であるなどの意見が寄せられた他、山梨県内の高校で生徒会が中心となり作成されたスマートフォン利用のルールと、そのルールを浸透させるために上級生が下級生にルールを教えるという取組みなども紹介されました。

 最後に、コーディネーター桑崎氏から、情報モラルの醸成には時間がかかる。青少年が賢く適切にネット利用をするために、家庭と学校、両社の連携した取り組みが大切であり、マイファミリールールを作るための話し合うプロセスが大切であり、ルールを作るまでの取組みのプロセスが教育になる。

 保護者や教育関係者、青少年を取り囲む関係者が子供を見守りながら、コミュニケーションの機会を増やしていくことが重要であるとのお話で締めくくられました。

写真:会場全体の様子