2014年2月7日・8日、広島県広島市「広島YMCA国際文化センター」にて開催されました。基調講演とパネルディスカッションを行い、2日間で約530人(のべ人数)の方が参加されました。

写真:会場全体の様子

1日目

基調講演①

青少年のスマートフォン利用の状況と課題

講師:藤川 大祐 氏(千葉大学 教育学部 教授)

スマートフォンの普及前後の「ユーザーの利用状況」、並びに「問題ある投稿への対応状況」を比較して、青少年の安心安全を守るために、保護者が気をつけなければならない事柄の変化を、ご説明頂きました。そして、今後はデバイス等のテクノロジーの変化を前提に、保護者の対応のあり方を検討する必要がある、と締めくくりました。

写真:藤川氏登壇の様子

基調講演②

今の子どもたちのネット事情

講師:長谷川 陽子 氏(有限会社Willさんいん 代表取締役)

現在の子供たちのインターネットの利用状況を、具体的な事例をもとにご紹介頂きました。「子供たちは知識としては理解しているが、「自分」が公開した情報は知り合いしかみていないと思い込んでいる」「子供たちに利用のルールを決めさせることが重要で、大人が勝手に作ったルールはだめ」「親と子供が一緒に考えることが大切」であることなど、ご家庭における対応のヒントをご説明頂きました。

写真:Willさんいん長谷川氏登壇の様子

基調講演③

ソーシャルメディア・ガイドラインについて

講師:小城 英子 氏(聖心女子大学 文学部 准教授)

同大学におけるソーシャルメディア・ガイドライン策定の経緯や特徴をご説明いただきました。中でも、不適切な投稿が発生してしまう要因を、「内輪だけのやりとりのつもりで、全世界に情報を発信しているという自覚がないこと」、また「自己顕示欲がリスクよりも優先されてしまっている状態で、結果リスクの認識が薄いこと」を挙げられました。

パネルディスカッション

青少年のインターネット利用環境整備に関する地域連携の取組について

コーディネーター:
藤川 大祐 氏(千葉大学 教育学部 教授)

パネリスト:

長谷川 陽子 氏(有限会社Willさんいん 代表取締役)
小城 英子 氏(聖心女子大学 文学部 准教授)
原田 貢 氏(広島県 警察本部 生活安全部 少年対策課 管理官 兼 少年サポートセンター所長)
尾﨑 公幸 氏(広島市電子メディア協議会 会長)
高橋 誠 氏(LINE株式会社 政策担当)


各団体・地域で取り組まれている青少年のインターネット利用環境整備について、地域や学校毎に異なる課題の対応策、そして企業・保護者・関係団体がどのように取り組んでいくべきであるか、また会場からも活発な意見交換がされました。

写真:パネルディスカッションの様子

2日目

企業講演①

LINEにおける青少年利用の対策について

講師:高橋 誠 氏(LINE株式会社 政策担当)

LINEのサービス概要と各種トラブル対策に関して、わかりやすくご説明を頂きました。中でも、年齢情報を用いた機能制限など、LINEを通じて知らない人と繋がることがないように対策を講じており、ID交換を目的とした外部アプリや掲示板対策も行っているとのご説明を頂きました。

写真:LINE高橋氏登壇の様子

企業講演②

青少年の安全・安心利用の取り組み

講師:真島 光 氏(ソフトバンクモバイル株式会社地域総務部 九州・中四国総務課 課長)

フィルタリング関連の取り組みと情報モラル教育の取り組みをご説明いただきました。情報モラル教育の取り組みでは、2008年から学校教育機関やPTA保護者向けに実施しているDVD教材を活用した模擬授業や、2013年からのiPad実機を使ったリスク体験、フィルタリング設定の研修事例紹介があり、安心安全の取組の幅を広げている、というご説明をいただきました。

写真:ソフトバンクモバイル真島氏登壇の様子

企業講演③

子どもたちが生きるネット社会の現状~携帯からスマホへ~利用上の注意点について~

講師:金子 哲宏 氏(株式会社ディー・エヌ・エー マーケティング本部 広報部 部長)

スマートフォンのトラブル事例を「コミュニティーサイト起因の問題」や「料金・時間の使いすぎの問題」などを中心にご説明頂きました。家庭でのインターネット利用に関するルールを作る際には、必ず親と子供の対話を行い、一緒に考えることが大切である、とご説明いただきました。

写真:DeNA金子氏登壇の様子