2015年8月22日、東広島市市民文化センターで、文部科学省委託事業「ネットモラルキャラバン隊」が開催され、安心ネットづくり促進協議会が共催しました。文部科学省の「子供のスマホやインターネットをめぐる問題に関する取組」の説明に続き基調講演と会場トークセッションが行われ、東広島市内、約330人の保護者、市内小中学校の児童生徒、教職員、青少年健全育成関係団体が参加されました。

文科省事業ネットモラルキャラバン隊・広島県PTA研修会

基調講演

「小中学生のネット利用の現状・気持ちを子供と共有し"伝え方"の工夫でトラブルや依存を遠ざけよう!」

講師:尾花 紀子(ネット教育アナリスト)

 基調講演では、インターネット環境は数年で大きく変化するため、技術的な側面を追いかけることは困難であること、子供たちは、幼児期からインターネット社会の中で育ってきているため、保護者が育った環境とは全く異なっていることなどをお話しいただきました。そうした中で、子供たちがインターネット利用のために、保護者が心がける7つのポイントについてお話しいただきました。

「日常」日常から大人自身が正しい使い方を心がける
「行動」子供にやらせたいことは、大人が先に行動して見せる
「責任」子供たちが安全な環境でインターネットを利用する責任は保護者にある
「会話」ネットに関する話題で子供と一緒にかわしながら考えよう
「約束」ルールづくりは家庭でも学校でも子供と一緒に考えながら行う
「対応」大人自身が関心を持つ
「共育」子供と同じ方向を見ながら、一緒に考える

子供のスマホの利用環境を知るために、保護者が関心を持って会話の中で聞いてあげること、子供たちの心に届く伝え方を工夫することなどを改めてみんなで考えましょうと次のトークセッションにつなげていただきました。

112014.JPG

トークセッション

「かしこい利用 ~ホントを知ろう~」

コーディネーター:
堤 千賀子(茨城県メディア指導員連絡会 会長)

パネリスト:
大場 由美子(東広島市PTA連合会 会長)
尾花 紀子(ネット教育アナリスト)
工藤 陽介(デジタルアーツ(株)経営企画部 経営企画課 政策担当課長 チーフエバンジェリスト)
篠原 昇(総務省 中国総合通信局 電気通信事業課長)
中山 勝志(東広島市教育委員会 青少年育成課課長補佐兼青少年係長兼指導主事)
丸子 和子(広島県東広島警察署 生活安全課少年係 少年育成官)


トークセッションの冒頭、コーディネーター・堤氏より、会場の参加者に質問を投げかけられ、子供たちのスマホの利用状況や利用にあたっての学校や家庭でのルール・約束の有無など、子供たちと保護者・教職員との認識の差があることが見えてきました。

大場氏説明要旨
家庭でのルールについて意識の違いがあることに驚いている。なぜ、ルール・約束を作るのか、その理由についても子供たちには伝えたい。

尾花氏説明要旨
情報モラルの醸成には時間がかかる。家庭と学校等でルール等を作る場合には、子供を交えて、ルールを作るための話し合うプロセスが大切である。

工藤氏説明要旨
スマホという道具を活用する力、インターネットの情報を正しく判断する力を育てていくことが重要である。インターネット上のリスクを疑似体験できる無料アプリや啓発活動も開催しているのでぜひ活用して欲しい。

篠原氏説明要旨
子供たちの安心・安全なインターネット利用環境を作るために、総務省としてはPTAや関係団体、また、関係府省庁と連携して引き続き取り組んでいる。中国地域5県で、この活動に賛同いただいた関係者と連携した連絡会を立ち上げて、各地域の実情に応じた活動を進めている。

中山氏説明要旨
児童・生徒のインターネットに関するトラブルを未然に防ぐ、またトラブルが発生した場合に速やかに解決するためには、学校と家庭の連携が必要である。

丸子氏説明要旨
子供たちが実際にスマホやインターネットで何を利用しているかを、大人が把握し切れていないことで、犯罪等に巻き込まれているケースが多い。
サイバー補導で補導されたり、福祉犯罪の被害に遭う子ども達のほとんどは、スマートフォン利用者であり、フィルタリングを設定していない傾向がある。

最後に、コーディネーター・堤氏から、青少年が賢く適切にネット利用をするために、ルールづくりをしていくこと、またルールを作るまでのプロセスとして、保護者や教育関係者、青少年を取り囲む関係者が子供と一緒に考えながら、コミュニケーションの機会を増やしていくことが重要であるとのお話で締めくくられました。

112347.JPG