高校生ICT Conference 2019 in 長野

開催概要

日時:

2019年9月28日(土) 10:00-17:00

場所:

安曇野市明科公民館
(長野県安曇野市明科中川手6824番地1)

参加人数:

熟議参加生徒  45人
見学者・関係者 40人(教員・教育関係者・その他)
合計      85人

参加校:

長野県岡谷東高等学校
長野県松本県ヶ丘高等学校
長野県松本美須々ヶ丘高等学校
長野県高遠高等学校
長野県北部高等学校
長野県松川東高等学校
長野県松本深志高等学校
長野県明科高等学校
長野県茅野高等学校
長野県飯山高等学校
長野県松本工業高等学校 (順不同 11校)

高校生、教員、企業関係者など85名の参加者を得て、「人はなぜSNSを使うのか? ~改めて考えるSNSの使い方~」をテーマに高校生がグループに分かれて活発な議論と発表を行いました。

 

≪開会あいさつ≫

(長野県教育委員会 心の支援課長 松村 明 氏)

[要旨]長野県教育委員会では、本大会を高校生インターネット適正利用推進事業の一つとして位置付け、5年前から参加してきました。参加校を中心に県内の多くの高校で、その成果が徐々に表れてきているように思います。今年も参加生徒が活発に熟議を交わし、県内に発信することにより、自らの課題に向き合い解決していくための力や態度を身に付けることを願っています。

心の支援課

 

(総務省信越総合通信局 情報通信部電気通信事業課 課長 坪内 大氏)

来賓としてあいさつをいただきました。

総通局

 

≪第一部:参加校発表①≫

最初に全参加校が、以下の事前課題について2分間で発表を行いました。

最初に全参加校が、以下の事前課題について1分間で発表を行うとともに、学校紹介をしました。

・SNSとは何か、その光(メリット)と影(デメリット)について

・人はなぜSNSを使うのか、SNSの安全で適正な利用について

・インターネット・スマートフォンの利用に関して、学校(高校生)が実際に取り組んだこと

 

≪第二部:事業者講演≫

(Twitter Japan 株式会社 公共政策本部長 服部 聡 氏)

高校生が最も利用するSNSの一つであるTwitterの利便性についてお話をいただきました。Twitterはとくに「今起きていること」の情報共有に長けているため、例えば、災害が起きた際には、現場にいる多くの人がそれぞれの状況や情報を発信することで行政や民間が発信する情報を補完することができるなど、賢く正しく利用すればその効用は大きいとのお話しがありました。

一方で、発信される情報や投稿のすべてが、正確で適切なものであるかどうかはわからないことから、安全面に関する企業努力はしているが、やはり利用者自身のリテラシーを高めることが重要であるとのお話しをいただきました。

参加者はTwitterをはじめとするSNSの特徴や利用方法について、改めて理解を深めるともに、講演後の熟議の参考にすることができました。

Twitter

 

≪第三部:自己紹介・アイスブレイク、Conference①、グループ発表≫

長野県教育委員会、長野県の方などがファシリテーターとなり、8つのグループに分かれ、自己紹介やアイスブレイクを行った後、熟議を行いました。 

午前のテーマは「SNSとは何か、その光(メリット)と影(デメリット)を考える」でした。参加生徒はメモや付箋紙を模造紙に貼付しながら意見を交換しました。各グループで生徒が中心となって進行し、熟議の内容を整理しました。

光(メリット)として「情報共有しやすい」「様々な情報や意見が得られる」「身近な人に言いたくないことも相談できる」「承認欲求が満たされる」など、影(デメリット)として「言葉によっては誤解が生じる」「拡散性・記録性が怖い」「長時間の使用で家族や友人との会話が減る」など、多くの意見が出されました。

昼食もグループごとにとり、熟議は円滑に進みました。

午後はテーマを「人はなぜSNSを使うのか、SNSの安全で適正な利用について考える」に展開し、短い時間内で活発に議論しました。SNSの功罪について考えた午前の内容を踏まえて、SNSをどのように利用するのが良いのかについて、様々な提案がなされました。

また、SNSの適正利用については、高校生から小・中学生へのメッセージも考えました。SNSは小・中学生にはまだ必要ないという考えから、大人からの強い規制を訴えるグループもあれば、小・中学生でも利用を促進できるようにという考えから、自制を促進することのほうが重要だと訴えるグループもありました。

各グループで模造紙に整理した内容は、ワールドカフェ方式(2ラウンド)で発表しました。

 

≪第四部:Conference②、参加校発表≫

再び学校ごとの席次に戻り、グループで話し合った内容(Conference①)を最大限活かしながら、テーマ「人はなぜSNSを使うのか?~改めて考えるSNSの使い方~」についてまとめ、学校別の発表準備(発表資料の作成、発表方法・発表者の調整、発表練習)をしました。その後、全参加校が4分ずつ提言をしました。発表資料は模造紙にまとめる形とし、それをiPadで撮影しスクリーンに投影しながら発表しました。

 

(各学校の発表要旨は以下の通り)発表順

【長野県松川高等学校】

高校生は暇つぶし、承認欲求、コミュニケーションのツールなどを理由に、SNS(LINE・Twitter・インスタなど)を利用しています。しかし、実際の学校では、スマホがらみの問題やトラブル(生徒への悪口や誹謗中傷の書き込み、スマホ依存)が多発したため、このままでは学校の先生にスマホを管理されてしまうのではないかとの危機感が生徒間で生まれ、生徒会で先生方にストップをかけ、生徒会主体で「断スマ」(スマホを断つ期間を設ける)を実施したり、「松高スマホルール」を策定したりしました。このような生徒主体の取組を進めることが、SNSの適正利用につながるのではないか、という発表でした。

 

【長野県松本工業高等学校】

「速い」(リアルタイムで他人と会話ができる)、「広い」(世界中の人といつでもつながれる)、「簡単」(小さい子からお年寄りまで誰でも簡単に使える)とのSNSのメリットを強調し、「大人の考え方は古い~第5世代を生きる私たちのスマホの適正利用~」と銘打って、新しい時代に合わせたSNSの使い方を提案しました。しかし、大人の考えるようなデメリットもたくさんあるので、「送信前によく考える」ことが大事で、松本工業高校生として考える機会を与えるアプリケーションを製作したいとの発表でした。

 

【長野県松本美須々ヶ丘高等学校】

人がSNSを使う理由を、「便利であること」(遠隔通信が可能な点や、一度に多数と連絡取れる)、「人とのつながりがうまれること」(価値観や情報に対しての共感を得られる)、「身近であること」(簡単に人とつながることができる)の3点に分けて説明しました。さらに、その入り口として、周囲の人間が「みんな使っている」ことが大いに影響しているとしました。SNSの価値はユーザー数の多さにあり、ユーザー数が減ればサービスは終了するためです。

SNSの適切な利用に関しては、「自分が発信する情報に個人情報が含まれていないか確認する」「周囲が利用しているからといった安易な考えから情報を流すのではなく、自己管理力を高め、ルールや利用時間を自ら定める必要がある」「SNSの危険性をしっかりと知ることは当然必要である」との発表でした。

 

【長野県松本県ヶ丘高等学校】

現代文の授業『相手依存の自己規定』の中で、「日本人は他者の評価で自己を評価する傾向にある」と学んだことを紹介し、SNS上で簡単に「いいね」と他者評価としてしまうことは「無責任な評価」なのではないかと提案しました。

SNS上での他者評価の特徴として、「誰でも簡単に評価することができる」「本質的な良し悪しを評価しているわけではない」「受け取り側が面白いと感じるかどうかで評価している」ということが考えられるとし、他者の評価、特にSNS上においての他者の評価を自己評価として受け止めて行動することは良くない、他者評価によって自分自身の行動が変化することもよくない、と主張しました。「承認欲求」に焦点を当てた発表でした。

 

【長野県茅野高等学校】

SNSのメリットとデメリットとして、「自分の知りたい情報が見つかるが、偽情報が混ざっている可能性がある」「世界中の人とコミュニケーションが取れるが、悪い人とつながる可能性がある」「便利で自分のことを自由に表現できるが、依存し過ぎてしまう」を挙げ、メリットの裏にはデメリットがあることを指摘しました。そこで、改めて考えるSNSの使い方として、「正しい情報か見極める力」「相手の気持ちを考える力」「自分で自分を自制する力」が必要であると提言しました。

 

【長野県岡谷東高等学校】

「なぜSNSを使うのか?」テーマに対して「利便性がある」との結論から入り、 利便性の具体を「情報収集の手段として」「承認欲求を満たすため」「娯楽のため」「連絡手段の一つとして」の4つに分類しました。その上で、「様々な意見や情報を得ることができる反面、言葉によっては誤解が生じる」などメリットとデメリットが表裏一体であることを指摘しました。そしてSNSを正しく使うために、「相手の立場に立って考える」「他人への誹謗中傷はしない」「個人情報の取り扱いに気をつける」の3つの提言をしました。

 

【長野県飯山高等学校】

「人はなぜ、SNSを使うのだろう?」の問いに対し、①「流行」(安全かどうかの確認は必要だが)、②「連絡手段」(直接伝えるのが1番だが)、③「承認欲求」(SNSをすることによって周りの人に認めてもらえる)、④「情報収集」(情報がたくさんありすぎたり、いくつか調べて何が正しいのか見極めることが大事だが)、⑤「暇つぶし」の5点にまとめ、それぞれ次のように安全に使うための提言をした。①「自分の意志を持つ」、②「大事なことは直接伝える」、③「周囲の人のことも考える」、④「たくさんの視点から情報を得る」、⑤「フィルタリングをする」。寸劇風の工夫を凝らした発表でした。

 

【長野県明科高等学校】

まず、人がSNSを使う理由を2つ挙げました。一つ目は「情報を得るため」で、その背景としては、本やテレビといったメディアよりも情報量が多く、情報伝達速度が速い点を挙げました。さらに、ツールによっては話し言葉で書かれていることもわかりやすくて良いとしました。二つ目は「人とのつながり」で、学校での友人関係以外に国内外訪わず様々な人とつながることができるため、人はSNSを使うと主張しました。

SNSはその危険性を理解して適正に利用することが望ましいとしました。そのためには、個人情報をむやみに載せないことや、基礎知識を高めるために学校などでの講演が必要である、との発表でした。最後に、今回の熟議で得た考えを自分たちの生徒会活動で行っている「スマホ回収」の向上へとつなげること、基礎知識を高めるための講演活動や話し合いの場を作ること、を目標として掲げました。

 

【長野県北部高等学校】

「なぜSNSを使うのか」については、「メリットが多いから」と明言し、①「情報を拡散するのが速い」、②「人に直接言えないことでも文字なら言うことができる」との利点を挙げました。しかし、メリットはデメリットにもなるとして、①に対しては「一度投稿したものは取り返せない」、②に対しては「簡単に悪口を書いてしまう」「送ったメッセージを違う意味で捉えてしまう」といった欠点も指摘しました。そこでSNSの適切な利用について、「絵文字などを使って相手が誤解をしないような対処をとる」とか「位置情報などの情報を悪用されないように注意する」などと、SNS利用の留意点について発表しました。

 

【長野県高遠高等学校】

SNSのメリットには「情報共有」「いろいろな人とつながれる」「連絡がとりやすい」「自分を表現しやすい」「情報入手が簡単」「情報をリアルに知ることができる」「自分の意見を言いやすい」があり、デメリットには「拡散したら消えない」「直接のコミュニケーションが減る」「意思が正しく伝わらない」「炎上」「依存」「個人情報の流出」との発表でした。デメリットの解決策として、「投稿前の確認」「機能を知りルールを作る」「鍵アカ、むやみに写真をあげない」「見るだけにする」「責任を持った行動をする」との提言をしました。

 

【長野県松本深志高等学校】

「単一の人にメッセージを伝えるのはSNSではない」として、SNSを肯定的に捉え積極的な利用を呼び掛ける形で発表が始まりました。人間が欲求を満たすためには社会(世界)が必要で、社会(世界)をつくるのは人間の本能です。現代では「現実世界」に加えて、電子の発見により「電子世界」が形成され、両者が併存しています。「現実社会」と「電子世界」では、「肉体が存在しているかどうか」「質」「スピード」と決定的な違いもありますが、「やっていること」「意識すること」「利用することや利用方法」など、本質的には同じです。「電子世界」で正しくSNSを利用するために大切なことは何か、を考えさせられる発表でした。

熟議

 

≪講評≫

(長野大学 企業情報学部 教授 田中 法博氏)

[要旨]高校生の皆さんにとって、SNSの光と影について深く考え合う中で、多くの気付きがあった一日ではなかったでしょうか。その上で行った後半のSNS適正利用に関する熟議ではたくさんの具体的なアイデアが出てきました。時間の関係でグループや学校ごとの講評ができないのが残念ですが、それぞれ個性的で興味深い内容だったと思います。私たち大人も多くのことを学ばせてもらいました。

本大会の成果を本日限りのイベントで終わらせることなく、ぜひ学校に戻ってからさらなる話し合いや取組につなげ、広く発信していってもらいたいと思います。

田中先生

≪閉会式、サミット代表発表≫

(サミット代表 長野県松本県ヶ丘高等学校)

長野県代表として、本日の成果を全国に伝えていく決意が語られました。

集合

「開催報告書」他

pdfファイル ■2019年度高校生ICTConference_イベント開催報告書(長野)

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