2014年2月22日、岐阜県・各務原市「各務原市中央図書館多目的ホール」において、文部科学省委託事業 ネットモラルキャラバン隊「各務原市PTA連合会 研修会」が開催され、安心ネットづくり促進協議会が共催しました。基調講演とパネルディスカッションを行い、150人の方が参加されました。

各務原市PTA連合会 研修会

基調講演

スマートフォン・SNS時代における家庭のルールづくりは?

講師:桑崎 剛 氏 (熊本市立総合ビジネス専門学校 教頭)

桑崎氏の講演では「インターネットが普及した現代社会において、ネット上で発信される情報はマスコミ以上の伝達力をもっており、地域の災害情報や交通状況、天気のリサーチなどプラスに働く面も多い」という内容をいくつかの事例を交えて、お話しいただきました。また、実はネット上の問題というのは、スマホだけに限った話ではなく、ゲーム機や音楽プレーヤーを使用しても起きる可能性があることをお伝えいただきました。
そして「子供たちがインターネットを上手に使いこなしていくためには、"より・さらに"というキーワードのもと、ネットのコミュニケーションにおいて相手がいることを意識し、気遣うことが重要」であること、併せて「根本的な規範意識の欠如がネットに現れている部分も多い」ことなどを解説いただきました。
その上で、「具体的な対策はパネルディスカッションで議論しましょう。」と後半のプログラムにつなげる形で終了しました。

写真:桑崎氏登壇の様子

パネルディスカッション

子供たちのネットモラルを高めるためにどう取組むか?

コーディネーター:
曽我 邦彦 氏(日本PTA全国協議会 元会長)

パネリスト:

桑崎 剛 氏 (熊本市立総合ビジネス専門学校 教頭)
関根 章文 氏(文部科学省 スポーツ・青少年局参事官(青少年健全育成担当)付青少年有害環境対策専門官)
石原 巧 氏(各務原市PTA連合会 校長会代表/各務原市立緑陽中学校 校長)
千田 均 氏(岐阜県PTA連合会 会長)
金子 哲宏 氏((株)ディー・エヌ・エー マーケティング本部広報部)


まず各パネリストの方々による自己紹介および地域や企業での取り組みをご説明いただきました。各務原市での個別のアンケート調査によると、フィルタリング加入率は半数程度にとどまっているとの状況報告を受け、「フィルタリングやペアレンタルコントロール」について正しい認識を持つ必要があるのではないかという意見があがりました。また、会場からもフィルタリングとはシートベルトのようなもの、事故の予防や事故が起こった時のリスク軽減に役立てるべきではないかとの意見がありました。
また、前半の桑崎氏の講演を受け、具体的に何をすべきかの議論においては、「ネットに詳しくなる必要はない。モラルやマナーについてきちんと会話できる環境を作ることが親の役割である」「友達など周りの影響を受けやすい問題だからこそ、PTAや市内の地域活動など大きなコミュニティーでルールづくりなどに取り組むべき」といった意見がありました。
最後に、「日本の未来を築く子供たちが、ネットの利用において被害者にも加害者にもなることのないよう正しく使える環境づくりをしてきましよう」というメッセージで締めくくられました。

写真:パネリスト登壇の様子

写真:コーディネーターを務める曽我氏