2014年12月5日(金)、新潟県三条市「燕三条地場産業振興センター リサーチコア マルチメディアホール」において、「第13回青少年のインターネット利用環境づくりフォーラムin新潟」が開催され、約100名の方に参加いただきました。フォーラムでは、午前中に企業講演、午後は有識者による基調講演と関係者によるパネルディスカッションを行いました。

第13回 青少年インターネット利用環境づくりフォーラムin新潟

講演1

LINE のご紹介と、子どもにネットを使わせる際の注意事項

講師:高橋 誠氏(LINE 株式会社 政策企画室)

 LINEのサービス概要や利用状況についての説明を頂いた後に、LINEの機能について、「音声通話・トークの仕組み」や安全対策としての「通報機能」、「ID青少年利用制限」「着信した際の通知機能制御」のほか、LINEが取り組む啓発活動についてのご説明をいただきました。また啓発活動では、講演会方式の研修会のほかに、『ワークショップ形式授業』を実施して、子供が「自ら考える」啓発教育の事例をご紹介いただきました。

写真:LINE株式会社 高橋氏登壇の様子

講演2

安心・安全なインターネット社会に向けて

講師:法田 貴之氏(グリー株式会社 CEO Office 本部 政策企画室 マネージャー)

 インターネットサービスが幅広いお客様へ広がってきていることから、グリーでは「安心して利用できるコミュニケーションサービス」「安心して楽しめるソーシャルゲーム」を実現するべく、青少年保護やお客様対応体制の強化に取り組んでいることを、ご説明いただきました。また安心・安全なネット社会の実現に向けて、利用者、企業、行政が3者一体となって取り組むことが重要、とのお話がありました。

写真:グリー株式会社 法田氏登壇の様子

講演3

疑似体験で学ぶスマホにひそむ危険

講師:工藤 陽介氏(デジタルアーツ株式会社 経営企画部 コンシューマ課)

 デジタルアーツが提供する『スマホにひそむ危険 疑似体験アプリ』を元に、未成年者のスマートフォン利用に伴う危険について参加者に分かりやすくお伝えするとともに、青少年の安全なインターネット利用に対して有効な手段であるフィルタリングソフトの導入の必要性について、ご説明いただきました。

写真:デジタルアーツ株式会社 工藤氏登壇の様子

講演4

愛知県の取組 ~保護者のための体験!体感!スマホ教室~

水野 幸雄氏(愛知県県民生活部社会活動推進課)

 愛知県では、携帯電話・スマートフォンのフィルタリング利用の促進を図るため、平成25年に愛知県青少年保護育成条例を一部改正しました。また、条例の改正内容の周知のため、県内約1,300店舗の携帯電話販売店へ個別に訪問するなどをした経緯をご説明いただきました。
 現在は、携帯・スマホを不得手と感じている保護者に向けて実際にスマホに触れて、危険性を認識するとともに正しい使い方などを習得していただく「保護者向け体験!体感!スマホ教室」を開催しているとご紹介いただきました。

写真:愛知県 水野氏登壇の様子

基調講演

「スマホとSNS時代で必要な"情報モラルの力"」
~ネット社会で安全に賢く生きる子ども達の育成は~

講師:桑崎 剛氏(熊本市立総合ビジネス専門学校 教頭)

 インターネットの普及によりトラブルが増えてきているが、実は問題の本質は今までと何も変わりはなく、ネットでもリアル(現実)でも同じであり、そのトラブルはスマホやSNSが引き起こすわけではなく人間が起こしており、原因はコミュニケーション力と規範意識、想像力の欠如にあること。家庭や学校でそれらを養う育みや、その力をつけることが必要であること等についてお話いただきました。

写真:桑崎氏登壇の様子

パネルディスカッション

青少年のインターネット利用環境整備に関する地域連携の取組について

コーディネーター:
桑崎 剛氏(熊本市立総合ビジネス専門学校 教頭)

パネリスト:
鈴木 佳苗氏 (筑波大学図書館情報メディア系 准教授)
比後 慎一氏 (長岡市立刈谷田中学校校長)
安藤 正之氏 (新潟県もっと!グッドネット!推進協議会 会長)
長岡大学学生 2名


 はじめに各パネリストの取り組みについて自己紹介がありました。

 鈴木氏からは筑波大学と学校の連携を通じて今年度行っているシミュレーション型教材を用いた実践の紹介の後、今後の実践の展開とその効果検証にあたって、教育現場との継続的な連携が重要であるとのことをお話いただきました。肥後氏からは中学校における「学力とメディア利用の実態調査」を経年で実施し、「ノーメディアタイム」の導入や全校朝会での「メディアの適切な利用について」という校長講話を実施するなどの独自の取組みについてご紹介いただきました。また安藤氏からは全国で活動している安心ネットづくり促進協議会の取組みを新潟でも広げようと「新潟県もっと!グッドネット!推進協議会」を立ち上げた経緯をお話しいただき、保護者がもっと勉強するべきであり、勉強ができる環境づくりを構築していくことが重要とお話いただきました。またパネリストとして参加して学生からは、コミュニケーションアプリのアカウント乗っ取りで実際に騙されそうになった実体験をお話いただき、どのように防止策の対応をしていくべきか、という意見がありました。

 会場からの質疑応答を受けて最後は桑崎氏から、子供たちがネット利用だけでなく自分自身できちんと安全に適切に対応できるように大人が育てていくことが重要であると締めくくられました。

写真:パネリスト登壇の様子

写真:長岡市 比護氏登壇の様子写真:安藤氏 登壇の様子