近年、乳幼児や小学校低学年の児童がスマートフォンやタブレット端末等に接する機会は増加の一途をたどっており、知育・学習教材として活用されるケースの他、貸し与えられた保護者の端末で動画視聴やゲーム等を長時間行う子供も出てきている。
このような時事課題を受け、安心ネットづくり促進協議会(以下:安心協)では2015年10月より調査企画作業部会内に「ネット利用の低年齢化対策サブワーキング」を設置し、乳幼児から小学3年生までの児童の保護者を対象に『低年齢層の子供のネット利用実態と、その保護者の意識実態調査』を実施した(2015/12/7~2016/1/25)。本年度はその結果を経て、保護者向けの啓発資料作成、展開を行った。
調査結果と啓発資料は、青少年や保護者のインターネット・リテラシー向上に取り組む当協議会及び会員企業・団体等の各地での普及啓発活動や、安心安全サービスの提供・改善につなげていくとともに、同様の取り組みを行う全国の自治体・学校・団体・事業者の活動促進ツールとなることも目指している。

本年度の活動方針と体制

 本年度は前年に実施した『低年齢層の子供のネット利用実態と、その保護者の意識実態調査』を経て、保護者向けの啓発現場で活用できる資料を作成し、啓発の実践を通じた効果検証を行った。

<ネット利用の低年齢化対策サブワーキング体制>
 以下の体制でサブワーキングの運営を行った。
リーダー: 尾花 紀子 (ネット教育アナリスト)安心協 普及啓発広報委員会 副委員長
サブリーダー: 七海 陽 (相模女子大学 子ども教育学科 准教授)
アドバイザー: 坂元 章(お茶の水女子大学 教授)安心協 調査企画作業部会 主査
参画メンバー: 安心協:調査研究、普及啓発関係者、関係府省庁 約20名
活動期間 2016年9月~2017年3月(サブワーキング開催4回)

活動概要

サブワーキングを通じて以下プロセスで検討・作成作業を行った。

①2015年度アンケート調査結果の再検証 2016年9月~2016年10月
②啓発資料内容の検討、作成 2016年11月~2017年2月
③啓発現場における実践利用と効果検証 2017年2月~2017年3月(利用継続中) 

効果検証サマリ

再検証・整理を経て検討・作成した啓発資料(2種)は安心協の関与する研修会やイベントで広く配布を行い、保護者アンケート取得が可能なケースでは当該資料の効果測定も一部行った。
参照によって 「子供のインターネット利用への不安が軽減されたか」、「フィルタリングや機能制限等の設定に対する"難しい"、"面倒"というイメージは変わったか」、「実際に自分または子供の利用機器に対して対策・設定したいと感じたか」の検証を行い感覚や意識の変化を測った結果、 「不安の軽減」 「難しいイメージの緩和」 「対策・設定意欲」 全項目に一定の効果が見られたことから、今回作成した啓発資料の有効性がみとめられた。

報告書(本編)および啓発資料リンク

■本編
pdfファイルネット利用の低年齢化対策サブワーキング 2016年度 報告書(PDF:2.4MB)

■啓発資料
ダウンロード、印刷のうえ、ご活用ください。

pdfファイルインターネットを安全に利用するために ~サービスや設定を知りたいみなさまへ~(PDF:1.9MB)<4ページ>
(小学校低学年の保護者向け:高学年・中学生に初めてスマホをもたせる際にも役立ちます)

pdfファイル考えよう!子育てと子供の成長とデジタル機器(PDF:3.5MB) <8ページ>
(乳幼児の保護者向け:幼稚園・こども園・保育園で使うタブレットの設定にも役立ちます)

監修:尾花 紀子(ネット教育アナリスト)/七海 陽(相模女子大学)
最終更新日: 2017年6月5日

※当報告書のテキストや画像等に関する諸権利は安心ネットづくり促進協議会に帰属します。
他所での援用等は、安心ネットづくり促進協議会のクレジットを入れることを条件に許可させていただきます。
よろしくお願い申し上げます。