2014年7月8日、「エポック中原(神奈川県川崎市)」において、安心協の共催により川崎市PTA連絡協議会「ICT学習会」がインターネットに関する事例紹介(神奈川県警、違法・有害情報相談センター)と会場トークセッションの2部構成で開催され、623名が参加しました。

川崎市PTA連絡協議会ICT学習会

事例報告

神奈川県における青少年ネット被害、加害の状況

講師:樋渡 弥子氏(神奈川県警察本部 生活安全部 少年育成課 課長補佐 少年相談員)

インターネットに関連してネットの危険性に対する認識が不足していることなどから福祉犯被害、なりすましや自画撮りわいせつ画像といった問題が発生しており、県内での現状と神奈川県警察少年相談・保護センターの取組と併せて説明していただきました。



講師 樋渡弥子氏登壇の様子

青少年のネット利用における相談・トラブルの傾向

講師:桑子 博行氏(違法・有害情報相談センター センター長)

違法・有害情報相談センターに寄せられるインターネットに関する相談件数が増加傾向にあること、従前は高校生から中学生を対象とした相談が多かったが最近は小学生を対象とした相談が増え、低年齢化が進んでいる傾向にあること、また相談内容が複雑化・多様化してきていることを学齢別の特徴や実際の相談事例を交えて説明いただきました。

講師 桑子博行氏講演の様子

会場トークセッション

あなたは子供のネット利用の状況と対策を知っていますか
~「ペアレンタルコントロール」って?~

コーディネーター:
曽我 邦彦氏(安心ネットづくり促進協議会 副会長/日本PTA全国協議会 元会長)

パネリスト:
竹内 和雄氏(兵庫県立大学 環境人間学部 准教授(教職担当))
玉田 康人氏(総務省 総合通信基盤局 電気通信事業部 消費者行政課長)
山田 英嗣氏(電気通信事業者協会)


トークセッションでは、会場参加者とパネリストとでフィルタリングとペアレンタルコントロールを中心に意見交換が交わされました。

冒頭、フィルタリングの設定状況について会場アンケートを行い、子供が利用しているスマートフォンにフィルタリングを設定している人が過半数を超えて手があがり、ゲーム機や音楽プレイヤーにフィルタリングを設定している人は約30%の手があがりました。また、会場からは「フィルタリングの仕組みは複雑で設定の方法がよくわからない。」「通常はフィルタリングを設定していて、解除が必要な時にだけフィルタリングを解除して使用している。」「ゲーム機のフィルタリングも複雑。」などといった意見が出され、パネリストからもそれぞれの立場から意見をいただきました。

コーディネーター曽我氏及び講師竹内氏登壇の様子


パネリスト2名の方の様子

総務省・玉田氏説明要旨
インターネット環境の変化に伴い、フィルタリングの仕組みも変化してきた。サービス提供事業者だけでなく、保護者の理解と協力が必要である。

電気通信事業者協会・山田氏説明要旨
スマートフォンの普及に伴いアプリやWi-Fi対策のためのフィルタリング機能が複雑化しているが、各携帯ショップなどでフィルタリング設定をサポートしているので活用してほしい。

兵庫県立大学・竹内先生説明要旨
自転車を例にあげながら、「子供が利用するインターネット接続機器には成長段階に応じた育成プログラムとしてのフィルタリングの設定が大切」であるが、一人ひとりの保護者が「フィルタリング設定」に満足せず、家庭での啓発の取り組みを充実させること、また自分たちの子供のために親子で話し合ってフィルタリングとペアレンタルコントロールについて一緒に考えること等のお話がありました。

最後に、曽我氏からは、子供達が賢くインターネットを利用するためには、保護者や教育関係者等、子供を取り巻く全ての関係者が子供を見守りながら、コミュニケーションの機会を増やしていくことが重要であるというお話で研修が締めくくられました。