ILAS検討作業部会では、総務省がILAS(Internet  Literacy Assessment indicator for Students /青少年がインターネットを安全に安心して活用するためのリテラシー指標)の取り組みにより定義をした7項目のリテラシー分類をもとにして、小学生から大人まで短時間で実施ができるテスト及び解説集を開発し、全国の小・中・高校生男女1,434名、及び保護者2,027名、合計3,461名を対象としたインターネット・リテラシー実態調査を実施し、調査結果を最終報告書として公開しました。

2013年度 青少年と保護者におけるインターネット・リテラシー調査 安心協ILAS 最終報告書

pdfファイル2013年度_最終報告書サマリー版(PDF:262kB)

pdfファイル2013年度 最終報告書_本編(PDF:1.2MB)

青少年と保護者のインターネット・リテラシーの比較について

青少年のリテラシーテスト正答率は、小学生は75.4%、中学生は77.3%、高校生は83.1%、保護者は、20歳代は95.5%、30歳代は91.9%、40歳代は91.5%、50歳代は90.8%、60歳以上は89.1%と青少年よりも保護者全般のほうがリテラシーが高く、青少年は年齢が増すにつれてリテラシーが高くなり、保護者は年代を増すごとに正答率が下がる傾向となりました。

啓発教育の経験者と非経験者のリテラシー習得状況について

啓発教育経験では、青少年の70.3%、保護者の88.7%が学校や研修会で「ネットモラルを学んだ経験がある」と回答、正答率では、「学んだ経験がある青少年」の正答率は80.4%、「学んだ経験がない青少年」は71.9%、「学んだ経験がある保護者」は91.6%、「学んだ経験がない保護者」は87.6%と、青少年、保護者ともネットモラルを学んだ経験がある人のほうがリテラシーが高い結果となりました。

啓発活動への連携について

インターネット利用において、青少年は知識や心得の習得よりも利用が先行していると考えられ、「利用の習熟」が必ずしも「リテラシーが高い」とは限らないと考えられます。一方、保護者は知識や心得を有しているものの、実際の利用と理解が不足していると考えられます。
いずれの結果からも、世代に関わらず生活において必要不可欠であるインターネットの基本的な理解が求められることから、当協議会をはじめとする産学関係者の役割として、青少年の育成に影響を持つ保護者等に対して重点的に、最新の知識やリスク啓発のみならず「インターネットの実際の利用を通して理解することの勧め」を行うことが保護者及び青少年のインターネット・リテラシーを高める有効なアプローチの一つであると考えています。