スマートフォンやタブレット端末等に、幼児や小学校低学年の児童が接する機会が増えており、学習教材として活用されるケースの他、保護者の端末を借りて動画視聴やゲーム等を長時間行う子供もいます。
このような時事課題を受け、幼児・児童および保護者のネット利用の実態を把握し、低年齢層に向けての啓発手法・テーマ等を検討するために安心ネットづくり促進協議会では低年齢層の幼児、児童のネット利用実態把握、低年齢層の保護者のネット利用実態把握のためのアンケートを実施、とりまとめを行いました。
調査概要について
調査対象:未就学児(0歳~6歳)、小学生低学年(1年~3年)およびその保護者
調査方法:保護者アンケート
調査時期:2015年12月7日~2016年1月25日
調査(アンケート)回答者数: 1,184名
調査結果(サマリ)について
・幼児保護者の64%、小学校低学年保護者の72%がなんらかの方法で子供にインターネットを使わせていると回答。
・幼児の38%がスマートフォンでインターネットを利用している。
・幼児から小学生になるとスマートフォンの利用率が若干下がり、タブレットやパソコン、ゲーム機を使ったインターネット利用が増えており、利用機器の多様化傾向がみられる。
・幼児期はゲーム、動画視聴(youtube等)や、写真を観る、知育の用途が多いが、小学生になるとメール、メッセンジャー、検索などの利用が増加している。
・幼児期は家族と一緒のとき、外出時の待ち時間、保護者が手が離せないときの利用が多いが、小学生になると一人のとき、友達と一緒のとき、留守番のときが増加している。
・子供がインターネットを使ううえでの安心・安全対策については、幼児から小学校になり使い方/使わせ方が変化するのに伴い、対策の実施状況にも変化がみられる。(フィルタリング、セキュリティ対策、ペアレンタルコントロール等)
・ただし保護者と兼用端末のフィルタリング設定率、端末機能制限、課金対策、接続制限対策は低い傾向にある。
・保護者が子供にインターネットを利用させるうえで不安に思っていることは幼児の保護者は身体・発達への影響への不安が高く、小学生になると学習・成績への影響が高くなる傾向がある。
・保護者自身がインターネットの適切利用に自信がない場合、子供へのネット利用の教育もあまりできていないとの回答が多い傾向にある。
・インターネットを安心安全に使うためのモラル・ルール・対策を学んだ機会については、幼児保護者では学外研修で学ぶ機会は少なく、学んだ経験がない保護者も多い傾向にあり、機会があれば相談機関・啓発セミナーを利用したいとの回答が多かった。
なかでも外部専門家に相談したい、教わりたいニーズが高い傾向にあった。
啓発活動への連携について
今回の調査は、単なる結果の報告にとどまらず、青少年や保護者のインターネット・リテラシー向上に取り組む当協議会及び会員企業・団体等の各地での普及啓発活動や、安心安全サービスの提供・改善につなげていくことを目指しています。
低年齢層の子供のネット利用実態と、その保護者の 意識実態調査アンケート報告(ネット利用の低年齢化対策サブワーキング 2015年度 報告書)(PDF:3.7MB)