日時
2015年10月03日 (土) 13:30-17:00
会場

松本市駅前会館
長野県松本市深志2丁目3−21

高校生ICT Conference 2015 in 長野(第二回) 開催概要

日時:

2015年10月3 日(土)13:30-17:00

場所:

松本市駅前会館
松本市深志2丁目3番21号

参加人数:

熟議参加生徒 25人
見学者 25人(教員・教育関係者・その他)
合計:50人

参加校:

長野県松本県ヶ丘高等学校、長野県茅野高等学校、長野県伊那北高等学校、長野県東御清翔高等学校、長野県明科高等学校、長野県上田高等学校、長野県豊科高校

高校生、教員、企業関係者など50名の参加者を得て、「大人が作った子どものルール&マナーを考える」をテーマに高校生がグループに分かれて活発な議論と発表を行いました。

【リアル熟議】

主旨説明 長野県教育委員会 心の支援課 平林 洋一 様
高校生ICTカンファレンスの意義や目的とあわせて本日の流れも紹介しました。

01 開会挨拶 平林さん.jpg

開会の挨拶

長野県教育委員会事務局心の支援課 課長  原 良通 様
以下お話をいただきました。
「前回を振り返ると、皆さんが熟議の可能性を感じたと思う。アンケートでは今後に生かせるという意見があった。皆さんがどんどん発信していきたい、生徒会で考えていきたい、周りと話し合って発信していきたい、という思いを強く感じた。
今日初めて参加する皆さんも一緒に熟議に入ってほしい。生徒の皆さんがそれぞれ学校に戻って今日の内容を伝え実践してほしい。」

02 教育委員会 原課長.jpg

総務省 信越総合通信局 情報通信部電気通信事業課 課長 高杦 博之 様
以下お話をいただきました。
「前回の開催ではファシリテーターで参加した。熟議は皆さんがしっかり話が出来ることが大事でその目的は達成出来ている。
今年総務省は通信自由化30周年の年。NTT独占の時代から、安く早く便利に通信を使ってもらうために自由化された。いかに自由に使ってもらうか、上手に使うかが基本となる。今回初めて参加する人もうまく形として作り上げてほしい。前回は勢いで議論していた面もあるが、今日は成果をお願いしたい。」

03 信越総通 高杉さん.jpg

第一部  事業者による講演

「ネットは匿名か?」
株式会社ディー・エヌ・エー カスタマーサービス部 部長 西 雅彦 様
以下お話をいただきました。
「当社はゲームだけでなく、様々、生活に密着したサービスを提供している。
高校生としていかにネットの使い方をしていくかが将来に役立つ。これまで、ネットで炎上した場合、個人が特定され晒される危険がある。また、損害賠償の金額は、悪ふざけの範囲にとどまらない。ネットは匿名で使っていてもどこの誰かわかる。SNS企業では、サイトパトロールを行っている。
ソーシャルゲーム開発の裏側では、企画メンバーが自分たちで使ってみて開発に生かしている。必ずしも理系出身とは限らない。開発のキーワードは「スピード」である。
高校生の皆さんは正しい知識を身につけて、安心安全にネットを楽しんでほしい。」

04 DeNA西さん.jpg

各プレゼンの内容をしっかり参加生徒はメモをとりながら次の熟議に備えていました。各プレゼンの内容も 現在の問題点、今後の課題、これからの活用方法、企業の立場からの提案など いろいろなアイデアが盛り込まれていて教員にも大変有意義なものでした。


第二部:熟議「大人が作った子どものルール&マナーを考える」

まず最初に、第1回大会参加各校代表者より第1回大会の振り返りを行いました。
<明科高校>
全校生徒に伝えたい。ベネッセの取組みを参照したが難しかったので、歩きスマホと歩きイヤホンに取り組んだ。どう伝えるか、携帯会社の歩きスマホの動画からヒントを得て、動画を作っている。

<伊那北高校>
独自のルールブックを作りたい。現在存在するグレーゾーン、なぜそうなったのか生徒が納得して守れるルール。節度をもった携帯利用を目指したい。

<茅野高校>
茅野高校から改善していくことを企画中。まずは茅野高校で1週間どうしていくかの期間を作っていこうと考えている。

<東御清翔高校>
前回の討議を通して、周囲の人のことや使い方をよく考えるようになった。
1年生の参加は私だけなので、生徒会に働きかけはできていないが、11月のPTA会合で携帯のルールやマナーをとりあげることになった。それに参加したい。

<松本県ヶ丘高校>
生徒同士の話し合いが出来た。生徒会から発信を考えている。学んだことをまとめて活動していきたい。

その後グループ分けして5つのグループに分かれ、熟議を進めました。

熟議1.jpg熟議2.jpg


第三部:グループ発表

各グループ3分程度の発表を行い、それぞれの発表に対して質疑を行いました。

<Aグループ・つまんないかも>
授業中のケータイのこと、ネットのことを議論した。生徒の現状や先生の現状を話し合った。
今の授業に、先生がタブレットを使ってほしいという要望がグループ内から出た。ネットを授業で使ってほしい。理由は、教科書よりも映像のほうが分かりやすいし、興味をもてる。
先生方が授業にネットを使って組み込んでくれれば、生徒で寝る人も減るのではないかと考えた。それでも授業中にケータイを使っちゃう生徒は自己責任ではないか。
先生にネットを授業で活用してほしいのは、某高校の地理の先生の話があり、その先生はPCとプロジェクターでその場で検索して、用語の画像を投影したり解説をしてくれる。みんな興味をもって、飽きずに集中出来るモデル授業。それを他の先生も取り入れてほしい。
まとめをどうやって県内に広めるか、自分たちの高校で試してみてあらためて改善し続けて、最後に広めていければいいと考える。授業でネットを使うのは可能性がある。

(Q)
ネットやタブレットを授業で使うのはいいことと思うが、どういう課題があってそれを使う話になったのか?
(A)
授業が黒板にかいて読む、その授業では関心がいかない。授業に興味を持つためには、どうするか、生徒のスマホを使うのは他のことに使いそうで実現が難しい。先生に授業を面白くしてもらえれば、授業中にスマホをしていた生徒も興味をもつのではないかと考えた。

<Bグループ・おちゃめ高校生徒会>
大人に賛成できる意見として、自己管理能力がない人にはケータイを持たせない。他人の悪口は言わないなど必要最低限のことが出た。
大人たちの使い方どうなのか、スマホの便利さに気付いてほしい。良い面、悪い面のある使用時間、高校での使い方も議論した。
メリットは、犯罪の防止や他人の中傷防止が出来る。デメリットは、勉強で使いたいのにリビングでは使えないなど。
(ここからは小芝居で・PTA総会にて)
大人が決めたルールは反発する。生徒がルールをきめる。高校生は自己管理ができるので大人や先生がルールを決めるのは腹が立つ。PTA総会に子供から親に講習会で説明をする。
生徒たちはしっかり使えるようになった。

(Q)
生徒自らルールを決めるとき、まとめるときに難しいことは?
(A)
生徒のいろんな意見を聞いて纏めることが中心となる。全校アンケートを生徒会でまとめる。全員の意見をとることが必要だがそれが難しい。

<Dグループ・まじめーず>
真面目なメンバーが集まって熟議が進んだ。
結論として、生徒会交流会を設けて、学校でのスマホの使用のルール、マナーを持ち寄り対策を発表する。各校の具体例として、今のスマホのマナーを常識化すること。そのために、先生からルールを強制されるのではなく、生徒が自主的に働きかけることが大事。
スマホの利用時間のアンケートをとり学力との関係とグラフ化、目に見えるかたちで提示することで、自覚や自主性が身に付く。
議論として、既存のルール、マナーを話し合った。授業中のスマホの禁止、授業に集中できない。学校側からアンケートをとる、使用状況、頻度を学校側が把握する。
ながらスマホは危険。自転車に乗りながらイヤホンをするのは安全上危ない。
対応策として、
・自主的にスマホの電源を切る
・生徒会から呼びかけをする、意識づけ
・生徒同士で話し合う機会をもうける
・出た意見を先生、保護者から意見をもとめる
・身近な問題として認識させる、
・グラフなど目に見えるかたちにする
結論に戻り、しっかり出来るメンバーばかりではないので、各学校で生徒会からみんなの意識を変えられたらと思った。クラス対抗で、使用時間の少ない発表など、クラスで意識がかわるのではないか、企業の方には、スマホ時間を一目でわかるメールを送ってもらう、目で見てわかるようにしてほしい。
今日の機会を通して感じたのは、各校が集まる場をもうければ、他にも学校活動の意見交換にもなって、一石二鳥と考える。

(Q)
授業中のスマホの使い方、自主的にスマホの電源を切る、コントロールする、何が一番ポイントか?
(A)
高校生は小学校の頃から教育をうけて、ルールではなく、常識としてとらえる。そのために
自分の学力、時間をグラフにする。状況をみて自主的に考える。目に見えたほうがいい。

<Cグループ・おうちOUTI>
大人のルール、マナーには納得していない部分もあるが、ルールのおかげでいいこともあった。授業中の没収、使用時間の制限、学力を考えると制限があったほうがいい。
セキュリティでは、メールは自分で迷惑メールを登録できる機能などを活用していくのが大事。
悪い面では、システムで解決できないことはある。うまく使えればよいが、機能だけで解決できないこともある。使用制限の甘さでは、個人の権限としてゆるく見るのはルールの意味がない。
大人は子供に個人情報を出すなというが、大人も出している。説得力が欠けるのではないか。
高校生が自ら考えるルール&マナーでは、学校では預けた状態で昼休み以外は使わない。
教室内の使用禁止などが上がった。マナーでは、学ぶ姿勢を考えること、友だちの前では使用を控えること、家庭では自分で時間を決めることが出た。
ルールをどのように実行、発信していくかでは、生徒会役員が交流会や高校生合宿などで、役員で話し合う場をより多く設ける。自分たちの発信ができて、周りの高校のルールを知ることも出来る。
どうやって広めたらいいかについては、紙では捨てられる。動画で伝えれば頭に残り、ただのルールではなく話題性をもって広めるのが良いと考えた。
3年間しかない高校生活をスマホでうめるのはもったいない。もっと大切なものは多くある。
ルールで強制されなくても、気づいてくれれば必然と減る。このような場で出た案を県内で実行して、高校生活での利用を考えていきたい。

(Q)
広め方のところで、紙ではなく動画はよいアイデアだが、どのような動画でどう伝えたいのか?
(A)
明科高校では身近な歩きスマホなどを動画でとって、学校で見せているが、他校でも交流して広めていきたい。いまは校内向けだが、より力のある組織、政府や企業が、見ていておもしろい動画をユーチューブなどに流してもらえれば話題性が出る。ルールを広められる。

<Eグループ・E-girls>
2つに絞った。
それ以外の企業の話では、例えば通信量で1日の通信量を決めてもらうとか、アプリのダウンロードでは、親の承認が必要とか、企業側にやってほしい。
極論だが、成人までキッズケータイしか持てないようにするアイデアも出た。
ルールとマナーでは「時間制限を作ること」。親や学校を通して、ケータイの時間を制限すると必然的にできなくなり、マナーもよくなると考える。
もっと友達と話をすること、近くにいるのに顔を見ない人、ラインをする人、もっと「目を見て友だちと話を深める」リアルに話をするのがよい。
普及させる方法として、時間制限は、校則に近いものにする。親に協力してもらい、PTAで提案してもらう。親の意識も高まる、勉強にも手が回らない人も改善させたい。
目を見てコミュニケーションをとることの普及方法は、キャンペーンでポスターを作る。県でポスターを集めて、公共の施設に貼る。学校単位、クラス単位で協力、結束も高まり一石二鳥。ぜひケータイから離れて、みんなと話をしたり、楽しいことを進めていければよい。

(Q)
制限を設けることをたくさん言ったが、皆さん本人は納得できるのか?納得できない人にどう説得するのか?
(A)
個人的には制限に納得できるが、そうでない人には、家族のだんらんで家族と一緒にいる時間を長くする、友達と遊ぶ時間を大切にする、人と直接かかわることで必然的に時間が制限されるのではないかと考える。

発表1.jpg発表2.jpg発表4.jpg

 

 

全体講評 NPO法人ぐんま子どもセーフネット活動委員会 理事長 飯塚 秀伯様

以下コメントをいただきました。

「とても白熱した議論を聞いていて心強い。一人一人がしっかり考えていることがよくわかった。
今回のテーマの「ルール」、なぜその議論が必要なのか。親側からみたルールは何かを話させていただくと、それは親が大切にしているものがある。家庭の環境を大切にしている。皆さんから学校のことを聞きたい、一緒にTVを見て盛り上がること、大切にしていることがある。そこにスマホが入る、親は怖い。今まで大切にしたものが壊れたらどうしよう。怖ければ怖いほどすごく大切にしたものを守りたい。ルールを作る。
ある親がスマホを与えたら家の環境が壊れたという。大切にしていたものがスマホですべてが台無しになった。親の考え、立場を頭の片隅に入れると親や先生の言うことが理解できる。
今回の熟議では、スマホは悪いのかいいのか、一人一人の意見を述べることで皆さんの頭が整理された。始まる前よりも今の方がクリアになった。決意が芽生えた。一人一人がゆっくりと話す最大のメリットはここにある。自分が言いたいことは普段なかなか言えないが、自分の考えを遮られることはなく有効ですごく白熱した議論になった。
さまざまなチーム発表からキーワードが見えた。
「自主性」上から言われたのではダメ。
「生徒同士」集まりが有効ではないか。
「時間制限」「対面の大切さ」これではまずい、だめだ、一人一人が考えていた。困っていた、悩んでいたことをうっぷんを晴らす人もいた。
「可視化」、データ、アンケート結果、成績と利用時間の相関関係、動画、時間制限、アプリの利用など、高校生の提言は心強かった。企業に対する考えも意義があった。
ルールから常識への視点はおもしろい。いままで与えられたルールでしかなかったものが自然と「常識」となること。小学校、中学校、高校生、これが常識となるともっとうまく使える。そのためにどう過ごしたらいいかは次の課題になる。
それから、親の態度の話は重要で、こんな話があった。
左手にフライパン、右手にケータイのお母さんに子供が相談にきた。次の日にお母さんはその相談を覚えていなかった。その子は涙ながら訴えてきた、親の姿勢も考えなければならない。PTAセミナーなどでも伝えなければならない。
皆さんがこの熟議をどう伝えるか、各グループで考えていたが、2年くらいで代わってしまうある行政の人がこんなことを言っていた。「仕事の内容は伝えることはできるが、情熱や哲学は伝えられない。」仕事内容は機械的に伝えられるが、大切なのは伝えるときに、「情熱」まで伝える仕組みづくりを考えていくこと。1年生と2年生をこの場に呼んでおく方法もある。伝えただけでは来年までに終わってしまう。白熱した議論を心にしまい込んだ人がつなぐサイクルにする仕組みづくりを考えるとよいのではないか。

皆さんは精神力や集中力という言葉は好きだし、大切なものと考える。それをわかりやすく言うと、自分の心をコントロールすることと言い換えられる。自分の心をうまくコントロールするためには静寂が必要。
孤独な時間が集中力を生む。孤独になりたい時間に、メールやLINEに振り回されないような周りとの関係性、家族同士、学校同士、長野県の高校生同士がルール作りをしていく。
今日は皆さんに元気をもらった気がします。ありがとう。」

05 講評 飯塚さん.jpg06 ICT長野2 全体写真.jpg

 

「開催報告書」他

pdfファイル高校生ICTConference2015 in 長野 第二回 開催報告書(PDF:682kB)

pdfファイル高校生ICTConference2015 in 長野 第二回 アンケート集計結果(PDF:203kB)