日時
2017年10月22日 (日) 10:00-17:00
会場

内田洋行・札幌ユビキタス協創広場U-cala
北海道札幌市中央区北1条東4丁目1-1サッポロファクトリー1条館1階

高校生ICT Conference 2017 in 札幌 開催概要

日時:

2017年10月22日(日) 10:00-17:00

場所:

内田洋行・札幌ユビキタス協創広場U-cala
北海道札幌市中央区北1条東4丁目1-1サッポロファクトリー1条館1階

参加人数:

熟議参加生徒 45人
見学者    40人(教員・教育関係者・その他)
合計     85人

参加校:

北海道石狩南高等学校
ヒューマンキャンパス高等学校
北海道旭川工業高等学校
北海道北見柏陽高等学校
北海道札幌旭丘高等学校
北海道岩見沢農業高等学校
北海道大麻高等学校
北海道札幌東豊高等学校(順不同 8校)

高校生、教員、企業関係者など85名の参加者を得て、「高校生が考える心豊かな生活 ~ ICT×(家族・学校・地域)~」をテーマに高校生がグループに分かれて活発な議論と発表を行いました。

 

主旨説明 関西学院千里国際中等部 米田 謙三 様

 高校生ICT Conferenceの意義や目的とあわせて、本日の流れについて紹介しました。また、11月の東京サミットに送り出す代表校選出の方法についても紹介しました。

 1米田先生

開会の挨拶

①北海道総合通信局情報通信部電気通信事業課長 宮腰 宗一 様

 総務省の取り組みの中のIoTについて説明をし、モノがインターネットとつながるとどのような利便性があるのか、教育や防災、農業など様々な分野ごとに事例を用いて説明をいただきました。

また、他言語翻訳が可能なボイストラについて、交番や消防などで活用されている事例を用いながら説明をいただきました。

 2宮腰課長

②北海道高等学校PTA連合会 会長 新井田 寛 様

 今回、参加してくれた方や企画、運営など取りまとめてくれた方へ感謝の言葉を述べ、徐々にこのような機会が増えれば世の中が変わっていくのではないかとのお話しをいただきました。

 また、今回のテーマは過去のテーマ(トラブル予防など)に比べて前向きなテーマとなっているので、みなさんの生活が心豊かになるような意見交換になるのではないかとお話しいただきました。

 そして、人との出会いや幅広い知識をどんどん積極的に身につけ経験を積んでいき、その中から幸運や偶然を掴むことができる能力を身につけてほしいとのお話しをいただきました。

 3新井田会長

第一部:事業者講演 

株式会社サイバーエージェント メディアサポート室 室長 中村 広毅 様

イ ンターネットサービスに関する『光と影』についてお話しをいただきました。

①光

・タレントブログでもあるように、結婚や出産報告など明るい話題や悲しい話題を個人が世界に向けて自由に情報発信することができる。

・一個人がインターネットを利用してメディア媒体を作ることができるようになった。

・LINEやツイッター、有名人のブログに気軽にコメントをつけたり、つけてもらったりなど個人間のコミュニケーションツールとなっている。

②影

・トラブルに遭わないために、個人情報は書かない、載せない。

・例えば、発売前の内容を勝手にブログ等に載せてしまうなど、著作権に引っかかり罰せられる可能性もある。

・例えば、「○○を食べると絶対○kg痩せる」など効果効能を断定的に表現して商品を紹介してしまうと、薬事法に引っかかることもある。

・誹謗中傷を載せてしまうと罰せられる可能性もある。

 また、『プロバイダ責任制限法』についてお話しをいただきました。インターネットに載せた写真は絶対に消すことはできないという認識がされているが、インターネット上で誹謗や中傷された場合は、管理者に問い合わせ、誹謗や中傷されたことを削除することを申請することができるとの説明をいただき、日本国内で提供されているサービスの多くはこのような対策をとっている場合が多いので覚えておいてほしいとの助言もいただきました。

 さらに、インターネットサービスを利用する場合は、利用規約を一度読み、使い方や何が禁止されているのか、被害にあった場合の対処方法など確認してほしいとのお話しをいただきました。『ネットと現実は同じ現実で、別世界ではありません。』とのお話しをいただき、インターネット上に投稿する前にもう一度考えることを心がけ、インターネットを正しく楽しく使ってほしいとのお話しをいただきました。

 最後に、グループ熟議では、テーマに基づいて、自分たちの生活の中で今後どのようなテクノロジーができればいいのかなど考えながら熟議に参加してほしいとの助言をいただきました。

 4サイバー中村様

参加校

 参加校ごとに簡単な自己紹介を行いました。また、ファシリテーターの方々についても自己紹介を行いました。その後、7つにグループ分けをしました。

 

第二部:グループ熟議

 各グループに分かれ、一般社団法人LOCAL、北海道情報大学、公益社団法人 全国消費生活相談員協会の方々がファシリテーターとなり、熟議を開始しました。

84班

 高校生たちは今回のテーマに基づいて、自分たちが考えていることをそれぞれ発表し、活発に意見を出し合いました。出された意見を付箋紙に簡単に記載し、模造紙に貼り付け整理していきながら、さらに意見を出し合うなど、積極的な意見交換をしていました。最後は、各グループでまとめてプレゼンテーション資料を作成していきました。

106班

また、参加している企業の方々からも的確な助言をいただきました。

 

第三部:グループ発表 (各グループ 3分程度)

 各グループの発表では、スクリーンに映したプレゼンテーション資料と模造紙を活用しながら発表を行いました。

その後、引率の先生と各校の生徒代表が集まり、11月3日の東京サミットに行く代表校を選ぶ投票を行いました。その結果、北海道札幌東豊高等学校が代表校に選ばれました。

 

(グループ発表概要)

第1班 テーマ 「便利とは豊かなのか?」

(ICTを使用して豊かにする方法)

地域(バス)編について

・どのくらい遅れているのかわかるようにする。

・バスがどこにいるかわかるようにする。

・バスに乗車してすぐにお勧めの車内の位置を音声で伝えるようにする。

・バスカードのチャージを可能にする。

学校編について

・学校のホームページをもっと改善させる。

例・時間割が見れるようにする

・図書館や学校のイベント情報を発信する

・各学年ごとのお知らせがほしい

・オンライン集会をできるようにする。

・スマホやパソコンで通信授業をできるようにする。

 

家族編について

・家の中の状況を監視カメラなどで見れるようにする。

・無線充電をできるようにする。

・時計を電波時計にする。

 

(豊かさに潜む闇)

地域(バス)編について

・席の自由がなくなる。

・バスのチャージにクレジットカードが必要でチャージするまでが大変。

・どこからどこまで居るのか、というのは個人情報なので難しい。

 

学校編について

・家から出なくなってしまう。

・コミュニケーションが取れない。

・授業内容が聞けない。

・いたずらする人が出る。

 

家族編について

・監視カメラが勝手に使われるかもしれない。

・無線充電に対応する機種がまだ少ない。

 

(まとめ)

・前もって知ったことで楽になり、時間が空き、前もって自分の計画を立てられる。

・学校生活が校舎だけでなく地域にも広がる。

・障害者の人にも優しくなる。

12発表1班

 

第2班 テーマ 「コミュニケーションについて」

(豊かとは)

・お金を持っていたら、色んなものを買うことができ、豊かになる。

・感性が豊か

・インターネットの利用によって、知識も豊かにすることができる。

 

(コミュニケーション・SNSとは)

・スマートフォンの普及によって、電話やメールだけでなく、ツイッターやフェイスブックなどによる連絡手段が増えた。

・翻訳機能の利用によって、外国人とのコミュニケーションを取ることも簡単になった。

 

(課題)

・画面でのやり取りのため、相手の顔が見えず、相手の感情がわからない。

・ネットでの誹謗や中傷も課題の一つ。

・家族についての改善策としては、家族と会話をする時間を作り、注意喚起をすることで友達に対して暴言を言う人も少なくなる。

・学校についての改善策としては、インターネットの安全講話を定期的に行い、インターネットの使い方を確認する。

・地域についての改善策としては、地域との関わりが減ってきているので、地域と高校生の交流の機会を増やす。

 13発表2班

第3班 テーマ 「ICT × 生活(家族・学校・地域)~インターネットと豊かな生活~」

(心の豊かさとは)

・楽しい

・心がわくわくする

・安心感

・自分の世界に没頭する

 

(家族)

・利点は、GPSの活用により、子どもの位置などがわかるので安心感につながる。

・また、離れていても連絡が取れることも利点。

・悪い点は、喧嘩のタネになるのではないかというところ。

 

(改善案)

・家族内のルールを作ること。

・「ネットを切るぞ」などの脅しはできるだけ使いたくないため、タイムロックの設定などを行うことによって、家族間の関係を円満に保つ。

 

(学校)

・利点は、物事の確認がしやすい。

・話題が増える。

・スクリーンの投影により負担が減る。

・連絡を取りやすくなった。

・悪い点としては、喧嘩が増えるのではという問題がある。

・SNSを利用していないなど繋がりのない人が孤立する恐れがある。

・ネット前提になり依存してしまう。

 

(改善案)

・不適切な内容などに対するフィルタリングを活用する。

・つながりのない人への配慮をしっかり行う。

 

(地域)

・利点としては、家族間の交流が増え、スマートフォンがあると話題が増える。

・ネットのニュースなど情報の共有がしやすくなった。

・物を手に入れやすくなった。

・悪い点としては、物的・情報格差が広がる。

・能動的に行動しないと情報を手に入れられない。

・オレオレ詐欺など犯罪へのリスクが高まる。

 

(改善案)

・情報の提供手段を併用すること。

 

(僕らの提案)

・フィルタリング For Teens

→男女別・趣味などカテゴリーに分け、自分たちでフィルタリングの基準を作成する。

・ネットルールレクリエーション活動

→中高生にネットルールをわかりやすく解説する。

 14発表3班

第4班 テーマ 「家族・学校・地域から考える豊かな生活」

家族・学校・地域の3つの視点から、ICTを活用したこれから出てくる技術を考え、問題点やデメリット、改善点を考えた上で、豊かな生活とはどのような生活かを考えた。

(豊かな点)

・電話やLINEなどを用いた、連絡の容易化

・eラーニングやノートのデジタルガードといった電子教材の導入

・情報の活用

 

(デメリット)

・メールやLINEを使うことによって、顔を合わせるなど直接コミュニケーションを取ることが減る。

・eラーニングなどの電子教材を使うことによって、習慣や文化が薄れていく。

・ノートとして使う電子機器の不具合などによって、中身のデータが消失する。

 

(解決策)

・高校生によるイベント、お祭りを開催して地域の交流を深める。

・例えば、北海道は雪が多いので、雪かきなどのボランティアを作るなど。

・デジタルの時代になると習慣が薄れてしまうので、かるたや駒など伝統の遊びなどを伝える。

・料理のレシピなどをデータベース化して残す。

 

(まとめ)

・コミュニケーションの拡大を行うこと

・デジタル化による効率向上を図ること

・高齢化社会に対応したネットワークシステムを配備すること

・国民的アイデンティティーを保持すること

 15発表4班

第5班 テーマ 「高校生が考える心豊かな生活~ICT×(家族・学校・地域)~」

人間らしくということを根本的に考え、家族・学校・地域で考えた。

 

(家族)

・プラス面は、写真の共有やLINEで要件を簡単に済ませることができる。

・マイナス面は、家でのコミュニケーションの質の低下により、家族の会話が減った。

 

(改善策)

・直接顔を合わせて話す時間をしっかり作る。

 

(学校)

・プラス面は、タブレットの普及により、授業の電子化や出欠確認を行うことができる。

・マイナス面は、活字に触れる機会が減り、漢字や正しい日本語が使えなくなったり書けなくなった。

 

(改善策)

・読書時間を増やす。

・活字に触れる機会を増やす。

 

(地域)

・プラス面は、地域の情報を簡単にネットで見れるようになった。

・マイナス面は、一方的な情報が多く、自分がわからなくなってしまう。

 

(改善策)

・情報への返信をできるようにし、双方向での連絡ができるようにする。

 

(高校生が考える豊かな生活についてまとめ)

・地域については、地域・自治体での情報共有の場を増やす。

・学校については、すべてタブレット化するのではなく、図表やデータ、動画など紙の資料としてはできないことや難しいことを専用のタブレットを作り、一人一人に配布する。

・家族については、スマホの使用時間を減らし、家族との会話の時間や顔を合わせる時間を増やす。

 

(人間らしくとは)

・双方向のコミュニケーションや元々人ができていたことを今後もしっかりできるようにすること。

・すべて機械に頼るのではなく、ICTの進化に伴い、人間が人間らしく生活することを心に置くこと。

 17発表6班

第6班 テーマ 「便利と危険は表裏一体 ICT × 家族・学校・地域」

(ICTを利用して豊かになる物‐家族‐)

・最近、お年寄りが家族と離れて生活し、孤独死が増えているが、家族とのコミュニケーション不足が原因。

・コミュニケーションをとらなくても、家電のスイッチのON/OFFで安否がわかれば便利。

・しかし、生活が監視されていると思われてしまうかもしれないというのが問題点である。

・家族間でLINEなどのコミュニケーションアプリを使うことで、連絡が取りやすくなる。

・しかし、近くにいてもLINEで話をすると、直接の会話が減り、家族関係が豊かではなくなる。

・近くにいるけれど遠くなってしまうということが起き、大きな問題点である。

 

(ICTを利用して豊かになる物‐学校‐)

・LINE交換など友達が作りやすい。

・反面、SNS特有のいじめや陰口などもある。

・タブレットで授業をすることで、忘れ物などが減り、先生に怒られることもなくなる。

・反面、依存しすぎて授業中に他のことをしたり、タブレットを持っている人と持っていない人との間で格差が生まれることもある。

 

(ICTを利用して豊かになる物‐地域‐)

・GPSを活用することで、行き先の混雑情報を調べたり、現在地の天気予報がわかるようになった。

・反面、GPSを利用したストーカーなどの犯罪が楽にできるようになってしまった。

・小さいお子さんがいるお母さんがネットショッピングを利用することで買い物が楽になった。

・反面、実物の商品を見ることができないため、詐欺などにあう。

 

(まとめ)

・自己管理をきっちり行う。

・安全なサイトなのかどうなのか疑う気持ちを持つ。

・便利さの中には危険性がある。

・危険性を知った上で使う。

 17発表6班

第7班 テーマ 「クラブ活動で地域の活性化」

・今あるもので困っていること、便利になったらどうなるのかについて話し合った。

・情報をすぐに調べられることは利点である反面、情報が多すぎてどれが正しい情報で、間違った情報なのかすぐにわからないことが問題。

・解決策としては、一人で調べるには限界があるので、専門家や幅広い人たちの知識を使うことで解決できる。

・しかし、情報の中には、矛盾したものや実際に誰が言ったのかわからない情報など様々な問題がある。

・心豊かな生活にするためには、老若男女問わずみんなでできるクラブやボランティアの活動を行う。

・豊かな生活とは、様々なクラブ活動をつくって楽しく関われることで地域を活性化させること。

 18発表7班

講評:北海道大学 重田 勝介 様

 今年は、心豊かな生活がテーマで難しいテーマと聞いていたが、活発な議論がされていて発表もすばらしかったと思うとの講評をいただきました。

また、ICTは友達や家族とすぐに連絡を取れたり、仕事を早く済ませることができたりなどツールとして使える便利なものではあるが、「豊かさ」と関係があるのかわからない部分があり、本日の皆さんの発表を楽しみにしていたとのお話しをいただきました。

ICTを利用すると文化や習慣が薄れていくとの発表を聞き、文化は精神的な活動のことで生活が豊かになるということ、ICTはある種文明で色々な技術を利用して生活が豊かになるということであり、文明だけでなくどのように使っていくかという文化も育っていかないと生活が豊かにならないとのお話しをいただきました。

今日の議論では、生活自体は文明で豊かになっていくが、一方でそれをどのように使いこなしていくかは、習慣やルールかもしれないが、自分たちで考えて両面を押さえて使いこなしていくことを考えることが大事とのお話しをいただきました。

今日すばらしかったのは、それぞれの世代の立場で「豊かさ」を考え、実現するためにはどうすれば良いのかICTの続きを考え発表につながったこととのお話しや、今後、色んな技術ができて、それを使う人がツールに基づいた文化やルールを作っていくことが重要とのお話しをいただきました。

最後に、「豊かさ」とは何なのかと振り返ることは良いことであり、同世代だけでなく世代を超えて話し合うことは大事なので、今後も今日のような場を思い出してほしいと結びました。

19重田先生

 

20集合写真

「開催報告書」他

 pdfファイル「高校生ICT Conference2017 in 札幌_開催報告書」(PDF:787kB)

pdfファイル「高校生ICT Conference2017 in 札幌 グループ発表資料」(PDF:1.4MB)