フィルタリング利用促進検討会(※)は、2016年12月に総務省で開催された第4回「青少年の安心・安全なインターネット利用環境整備に関するタスクフォース」において、スマートフォン時代に即した、より使いやすいフィルタリングの実現を含めた今後の在り方について論点を整理するとともに、改善指針の提案を行いました。

この提案に基づき提供された新たなフィルタリングサービス「高校生プラス」の評価、および青少年のインターネット利用に関する評価を第三者の目線から行うことを目的とした安心ネットづくり促進協議会の諮問機関として、2018年7月に「インターネット環境整備に係る検討会」を設置し取りまとめを行いました。

安心ネットづくり促進協議会、一般社団法人電気通信事業者協会、一般社団法人モバイルコンテンツ審査・運用監視機構の三団体で設立 (2016年当時)

 

検討結果:高校生プラスの提供について

高校生プラスは、一定数利用されており、利用者の満足度も高いことから、一定の導入効果があった


小・中学生も選択するなど多様なニーズに対する選択肢が増え、その結果フィルタリング利用率の向上も想定されるという点でも、提供意義はあった

 

※次のグラフは「インターネット環境整備に係る検討会」における調査結果

アンケート結果アンケート結果

 

検討結果:スマホ利用や多様なツールについて

  • スマホ利用について、継続的な親子間コミュニケーション(子どものSNS利用状況の把握、トラブル事例の親子間での共有、家庭内ルールについての話し合いなど)や、子どものスマホ利用時間の把握が重要
  • 保護者は、家庭内ルールの実効性を高めるために、子どものリテラシーに合わせて、様々なツール(フィルタリング)を選択、活用することが望ましい
  • 保護者の選択肢として、さまざまな機能に加え、学齢別に推奨されるフィルタリングレベルの設定や、ネイティブブラウザの利用に加えて利用時間制限・利用状況把握も可能なOSによるフィルタリングなども有効と考えられる
  • OSによるフィルタリングについては、利用者の満足度の高さや今後の利用を希望する声、「知らない」の回答が少なくないことから、今後、広く周知し・提供することが重要
  • わかりやすく簡潔なカスタマイズ方法の提供や、設定手順(例:アプリのダウンロードや、新規のユーザーID取得等)のできる限りの簡略化なども望まれる
  • 保護者が適切に様々なツール(フィルタリング)を選択、活用するためには、ツール(フィルタリング)の認知度の向上、保護者向け情報の提供が重要
  • 教育現場との連携(プログラミング教育との関連づけも含む)、保護者が気軽に相談できるタッチポイント、保護者向け情報の作成・発信を行う第三者機関の検討も必要

 

検討結果:保護者のサポート(情報提供)

【SNS利用について】

  1. 安全に利用するために、開示・提供されている情報があること
  2. 開示・提供情報に基づいて、SNSの利用判断を行う必要があること
  3. 開示・提供情報に基づいて、家庭で子どもと継続的に(成長段階に応じて)話し合ったり考えること(SNSの利用状況を把握する、トラブル事例を共有する)が必要なこと、家庭内ルールを設け、成長段階に応じて継続的に考える必要があること

 

【フィルタリングサービス利用について】

  1. 保護者が関心を持っていることに役立つ機能を持っているツールが多く提供されていること
  2. 子どもとのコミュニケーションにより、子どものスマホ・SNSの使い方を把握した上で、ルールを定めてツールを使うことが望ましいこと(子どものスマホ利用目的や使い方にあった対策をとる)
  3. 学齢別のフィルタリングなども参考として、必要なSNS、アプリ、サイト等が使えるようにカスタマイズすることで、スマホ利用のメリットを享受しながら安全に使うことができること

 

検討結果:フィルタリングサービス提供事業者への改善提案

1.より多様で、より使い易いフィルタリングを提供することが、利用率の向上につながると考え

2.保護者の判断基準について、個々のSNSやアプリの利用目的、子どものリテラシー、そのSNSやアプリの利用によるリスク等により使い分けたいというニーズがある

 

以上が取りまとめ結果になります。

※このページに記載の内容は、2019年2月に総務省で開催された 第6回「青少年の安心・安全なインターネット利用環境整備に関するタスクフォース」において発表しています

pdfファイル「インターネット環境整備に係る検討会 報告資料」(PDF:2.4MB)