2017年度 青少年と保護者におけるインターネット・リテラシー調査 安心協ILAS 最終報告書
1.目的
「安心協ILAS」の調査と検証は、青少年のインターネット環境整備に取り組む安心ネットづくり促進協議会の活動の一環として、主に保護者と青少年を対象にインターネット・リテラシーを可視化しようとする試みである。
本年も、引き続き総務省が青少年のインターネット上の危険・脅威に対応する能力を可視化するために定めている指標であるILASの7つのリスク分類を援用する形で、研修会の機会等を活用して比較的短時間で誰でも協力可能なテストとするために、平易な表現で最新かつ具体的な設問内容に努め、多くの関係者の協力を得て今年度の調査を完了した。
今回分析・検証した結果は、単なる分析にとどまらず、青少年や保護者のインターネット・リテラシー向上に取り組む当協議会及び会員企業・団体等の各地での普及啓発活動や、安心安全サービスの提供・改善につなげていくことを目指している。
2.調査概要について
(1)調査対象:小中高校生および小中高生を持つ保護者
(2)テストの種類と形式:
保護者・中高生用・・・3択式
小学生用・・・・・・・〇×2択式
(3)協力者数:3,044人
保護者1,258人
高校生752人、中学生518人、小学生516人
3.調査結果(サマリ)について
・正答率は、保護者91.7%、高校生86.0%、中学生84.9%、小学生73.3%と保護者の正答率が高い。
・7項目のリテラシー分類では、「1a違法情報への対応」の正答率は、保護者82.5%、高校生69.6%、中学生78.3%、小学生66.2%と全体の正答率に比べ低い。
・各問題では、「no14.環境整備法に対する理解」に関して、保護者の正答率92.2%に対して、青少年では高校生75.5%、中学生75.5%、小学生64.8%と低い。
・モバイルでのインターネット利用に関するアンケートでは、高校生の約68%が1日2時間以上利用していると答え、そのうち約15%が1日5時間以上利用している。
・啓発教育経験については、高校生の86%が学校研修会と答えている。
・青少年が、インターネット利用に関して困ったときに相談する相手は、「親」と答えた方が、高校生70%、中学生67%、小学生80%と他の項目より高い。
・高校生のネット依存に対する意識では、「とてもそう思う(9.7%)」「どちらかというとそう思う(43.3%)」であり、他の年齢より高い。
4.啓発活動への連携について
小中高生の情報モラル授業やPTA等の研修会等での安心協ILASの実施事例も出てきており、普及啓発ツールとしての有効性が高まってきている。
啓発ツールとしての活用の拡大に向けて、実施可能かつ短時間で回答できるテスト及び解説集の開発と、環境の提供に向けて検討を進める。
5.報告書
「2017年度安心協ILAS調査報告書」(PDF:717kB)
「安心協ILAS」テスト及び解説集
「【2017】安心協ILASテスト-小学生」(PDF:440kB)
「【2017】安心協ILAS解説集-小学生」(PDF:336kB)
「【2017】安心協ILASテスト-中高生」(PDF:475kB)
「【2017】安心協ILAS解説集-中高生」(PDF:507kB)
「【2017】安心協ILASテスト-保護者」(PDF:475kB)
「【2017】安心協ILAS解説集-保護者」(PDF:518kB)
(参考)7つのリスクカテゴリ
1.インターネット上の違法コンテンツ、有害コンテンツに適切に対処できる能力
1a.違法コンテンツの問題を理解し、適切に対処できる
1b.有害コンテンツの問題を理解し、適切に対処できる
2.インターネット上で適切にコミュニケーションができる能力
2a.情報を読み取り、適切にコミュニケーションができる
2b.電子商取引の問題を理解し、適切に対処できる
2c.利用料金や時間の浪費に配慮して利用できる
3.プライバシー保護や適切なセキュリティ対策ができる能力
3a.プライバシー保護を図り利用できる
3b適切なセキュリティ対策を講じて利用できる