日時
2016年10月01日 (土) 10:00-17:00
会場

安曇野市明科公民館
(長野県安曇野市明科中川手6824番地1)

高校生ICT Conference 2016 in 長野 開催概要

日時:

2016年10月1日(土) 10:00-17:00

場所:

安曇野市明科公民館
(長野県安曇野市明科中川手6824番地1)

参加人数:

熟議参加生徒 42人
見学者 43人(教員・教育関係者・その他)
合計:85人

参加校:

  • 長野県伊那北高等学校
  • 長野県茅野高等学校
  • 長野県駒ケ根工業高等学校
  • 長野県高遠高等学校
  • 長野県松本県ヶ丘高等学校
  • 長野県諏訪実業高等学校
  • 長野県長野商業高等学校
  • 長野県長野西高等学校
  • 長野県長野東高等学校
  • 長野県東御清翔高等学校
  • 長野県明科高等学校
  • 長野県木曽青峰高等学校

 (順不同)

高校生、教員、企業関係者など85名の参加者を得て、「ネットトラブル!どうする?【予防】と【対策】~トラブルに巻き込まれないために、巻き込まれたら~」をテーマに高校生がグループに分かれて活発な議論と発表を行いました。

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≪開会あいさつ≫
(長野県教育委員会事務局 教育次長 菅沼 尚氏)
長野県は今回で2回目の開催となり、昨年度より多くの学校が参加した。
今年のテーマは『ネットトラブル!どうする?【予防】と【対策】』ということでより具体的になり討議しやすいのではないか。普段話す機会がない他校の高校生同士がこの機会に、横につながることを大事にしてほしい。このICTカンファレンスにとどまらず、外部にも情報発信してほしい。ぜひ楽しみながら討議をしてほしい。

≪来賓あいさつ≫
(総務省信越総合通信局 情報通信部電気通信事業課 課長 中島 淳氏)
総務省総合通信局ではインターネット指針やトラブル事例の紹介など、ネットの安心安全に取り組んでいる。ICTカンファレンスの機会を利用して高校生が自らインターネットについて積極的に考え、話し合いを深めていただくことを期待している。

≪第一部:事業者講演≫
(ソフトバンク株式会社 約款・サービス部 氷見 彩乃氏)
フィルタリングは高校生の安全利用に重要な機能だが、加入者が減少していること、スマートフォンは利便性が高いが犯罪被害にあうリスクもあり、あらためて高校生はフィルタリングの意義について考えてほしい。
2つ目のテーマとして、人工知能が近い将来に人類を超える状況となる。そのような前提で進化し続ける道具をどう使っていくかを考えなければならない。

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(一般社団法人 インターネットコンテンツ審査機構 代表理事付・理事 西澤 利治氏)
どうすれば低年齢ユーザーにインターネットの安心安全リテラシーを指導できるかについて、一定の知識を持つ人、例えば大学生や高校生など年齢の近い「先輩」が地域のリーダーとして体験的に助言するのが有効と考える。ネットトラブルの対応には正解がない。解決策を考え見つけていくことが重要となる。

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その後7つのグループに分かれ、ファシリテーターは高校人権教育研究委員、教育委員会、事業者の方等が担当し、高校生熟議を開始しました。メモや付箋紙を活用しながら模造紙に貼り付けて意見を整理分類しまとめて行きました。

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≪第二部:グループ発表≫
Gグループ
インターネットとスマホの危険性を技術面で解決できる問題(ウィルス感染やのっとり等)と人の意識で解決できる問題(スマホ依存等)に分類。解決策を議論する場を高校生が呼びかける場を設定。ICTカンファレンスの学校版を開催。ICTカンファレンスに出席している高校だけでなく、出席していない高校や小中学校にも広めていく。ウィルス感染など疑似体験できるアプリを企業と協同で開発したり、町と協同で歩きスマホの禁止区域を設定したり啓発ポスターを貼付する取組みを実施したい。スマホ世代が中心となって世の中のリテラシー向上に貢献していきたい。

(質問:ソフトバンク 石原氏)
参加していない高校や小中学校にICTカンファレンスを広めるとあるが、具体的なアイデアは?
⇒昨年の取組みでは、動画を作成した。アイデアベースだが、啓発の歌を作成して様々な場所で流すというアイデアも考えられる。

Aグループ
スマホの課題を「ながらスマホ」「ネットでの悪口」「SNS写真」の3つの視点から具体的な解決策を議論した。「ながらスマホ」では、例えば歩きスマホを検知するとアプリが停止する機能を開発したり、歩きスマホ専用道路を作ってはどうかという意見が出た。「ネットでの悪口」に関しては、悪口を書かれたらどう思うか擬似体験してもらう。特に小学校で実施したい。「SNS写真」では、SNSに写真を載せる際、すぐに載せるのではなく、アラートが出る仕組みをスマホに実装できないか。本当に載せてもよいかどうかを考えることが重要である。多くの人に知らせるために講演会やトラブル相談会等を実施し、今回のカンファレンスに参加していない学校にも知らせていきたい。

(質問:ソフトバンク 氷見氏)
講演会実施について具体例があれば教えてほしい?
⇒中学生に対して高校生の目線でリスクの注意点について実施したことがある。

Cグループ
個人情報流出を止めたいと考えている。4つの段階にわけて対応策を考えた。
①個人情報流出の具体例を知ってもらって、個人情報の大切さを知ってもらう。
②実際の流出事件に遭遇した場合、自分で変更できるメールアドレス等は変更する。流出させている犯人に対し情報の拡散をしないよう要請し、解決しない場合は警察に通報する。
③解決策を自分たちでパワーポイントや動画を作成して授業や講演会でプレゼンテーションする。ある高校ではルールブックをすでに作成している。
④発表する機会を先生や企業に作ってもらい、他校との連携やICTカンファレンスを活用する。

(質問:インターネットコンテンツ審査監視機構 松原氏)
取組みを実行して広げていくために出来る具体策はあるか?
⇒ICTカンファレンスもよい機会。他校を訪問したり来てもらうアイデアもある。
ルールブックを作成した経緯は?
⇒全校生徒にもっと浸透させたい思いがきっかけとなった。

Fグループ
問題をSNS、ネット依存、ネット詐欺に分類し議論した。ネット詐欺は疑似体験アプリを作成し、小学生や保護者に体験してもらう。例えば、店頭で契約する際、詐欺被害に合う割合で、体験が出るクジを実施してもらい、比較的多く被害に合うことを自覚してもらうことを考えた。また、携帯電話会社のCMに青少年対策の内容を加えてもらったり、ラップ調の歌(スマホの正しい使い方)を作成して様々な場所で流せば浸透するのではないか?
携帯電話会社にはフィルタリング付プランを設定してもらい、料金を安くしてもらうなど協力してほしい。例えば相談窓口の電話番号を事前に登録しておく等トラブルに強いスマホの開発もお願いしたい。安全なWi-Fは総務省が認定しマークをつける等してほしい。アプリ事業者も危険な使い方をしている場合は注意喚起のポップアップが出るなど知らせる機能を作ってほしい。大人、子どもの意識を高めるため高校生が率先して活動していきたい。

(質問:長野県警 新井氏)
トラブルの相談先は長野県警にもあることを知っているか?
⇒知っているが詳細はわからない。高校生が知るために目立つところに広告を出していただくのがよいと考える。他方、有害なサイトに自ら入ってトラブルに遭うケースなどは警察に相談しづらい。

Dグループ
ネットトラブルには依存やウィルス感染、個人情報の流出等がある。ネットは顔が見られず手口がわからないことが問題。それを予防する対処方法は相手を思いやり想像することが大切。また、授業に集中するため、授業中は預けるのが効果的と考える。個人情報の流出ではネットに書き込まないことを徹底する必要がある。迷惑メール等で流出するトラブルはフィルタリングの使用やメールを無視する等が必要。ルールを決めること、また何かトラブルにあった際は第三者に相談することも重要。この問題は無知の怖さを知る機会を作ることが大切と考えている。高校生が講演して被害の疑似体験をさせることは心に残ると思う。ネットトラブルは他人事ではなく誰の身にも起こり得ることだと伝えたい。

(質問:インターネットコンテンツ審査監視機構 松原氏)
無知を補完するために、理解させて知る機会を作るには具体的にはどうすればよいか?
⇒生徒会が周知して、講演を受けたり、疑似体験をしてもらうことが効果的と考えている。

Bグループ
受け身では成長しないため講演会を高校生が企画すればよいと考えた。ネットの問題は
①サイト(ワンクリック詐欺)②対人(炎上)③個人情報(流出)の3つに分けられる。③の個人情報に関してはSNSに個人情報を載せないことを発信し、流出した場合の疑似体験をさせればよい。②の炎上では言われて不快なことはしないことを徹底する。小中高が連携して家庭と学校で話し合いを行う。全員で向き合うことが大事。①のワンクリック詐欺に関しては、不当な請求は無視するなど周知していきたい。
大人を対象にスマホ講座を行い、疑似体験で現状を知ってもらうことが重要である。またICTカンファレンスは高校生自らが主催していきたい。

(質問:総務省 中島氏)
小中高連携と家庭内対策の具体例があれば教えてほしい。
⇒中高の連携は出来ているが、スマホ利用の低年齢化が進む中で、小学生にスマホ利用の基礎を教えることが大切だと考える。家庭連携は例えば我が家では自分の部屋で使うことは禁止している。使用する時間等について各家庭でルールを作ることが大切と考える。

Eグループ
SNSの使い方や架空請求の問題を中心に考えた。予防、対策としては、企業に同意書を短く簡潔にしてもらうことが必要と思う。アプリのダウンロードの際、利用規約が出てくるが、長くて内容が難しく読まないで同意する人が大半である。リスク軽減のため簡略化してほしい。冊子では読まないのでポスターや動画等、絵だけで伝わる啓発を作成する。クラス単位で被害に合う確率の当たりが入ったクジを引き、トラブルにクラスで何人合うか身近に感じてもらうことも効果的だと思う。また誰でもわかる簡単で覚えやすいキャッチフレーズを作成するアイデアもある。スマホは、授業中は回収がよい。スマホ世代である私たちが親や小中学生にそれらを伝えることでネットトラブルを回避させていきたい。

(質問:長野県 松村氏)
高校での取組みでは大人が作ったルールは抵抗があると思う。周りを巻き込むためのアイデアはあるか?
⇒スマホを授業中に回収することは、「授業をしっかり受けよう」と生徒から出た意見だった。他校ではPTAから回収の話が出たこともあると聞いている。

スマホのトラブル事例は作りづらいのではないか?
⇒ながらスマホや著作権侵害を扱ったことがある。

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≪講評≫
(茨城県メディア教育指導員連絡会 会長 堤 千賀子氏)
長時間にわたる議論でも集中力が途切れず、またグループの打ち解けがとても早く感心した。グループ発表も大変工夫されていた。
企業講演の「シンギュラリティ」で人工知能が人間の脳細胞の数を超えるという時代を迎える話では皆さんの表情が変わった。皆さんは次の時代に挑戦していく世代であることを感じた。スマホを回収管理している学校があったが、辞書として使ったりもしている、手放せないものをみなさんに与えている責任は大人を含めて全員で考えなければならない。
カンファレンスに集まった生徒の皆さんはネットリテラシーを広げる使命感、正義感を持って参加した。バーチャルリアリティや芝居などで対策を広げていく手段を考えていた。自分たちが伝えることの効果に一番気がついている。ぜひ皆さんがさまざまなことを知り、知らない人に知らせてあげてほしい。また、皆さん自身もまだまだ知らないことがあると今回自覚できたと思う。多くを学び企業や県などに意見してほしい。自分がネットメディアでどう振る舞うべきなのかという課題からは逃げられない時代となる。
また、講習を受けるだけでは防げないこともある。「いじめ」でどう振る舞うか、どう啓発するか、逃げられない立場にある。道徳の授業を増やせば人の気持ちが変わるのか。一つの解決策として「リア充」がいいと思っている。現実に顔を見て情報交換をすることに勝るものは無い。
情報モラルに関して高校生のみなさんがいい社会を作ることにくじけず、みんなが人間フィルタリングになって、学んで、下の世代に伝えていくことを担ってほしい。

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≪閉会式、サミット代表発表≫
(サミット代表 長野商業高校 森田 陽 さん)
長野県代表として自分が学んだこと、授業で学んだこと等を全国に伝えていきたい。

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(閉会あいさつ 長野県教育委員会 心の支援課長 原 良通氏)
高校生のみなさんにとって、日ごろ知らない人たちと議論出来て貴重な体験になったのではないか。同世代が一生懸命リアルなコミュニケーションで熟議を行っている姿を見て、みなさんの可能性や仲間と解決に向かうエネルギーを感じた。各自がフロントランナーになり、校内で具体的に活動してほしい。また自分の学校だけでなく周りの学校や本日参加の他校とも連携してほしい。みなさんが中心となって小中学生や保護者にリテラシー教育を行ってほしい。 

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「開催報告書」他

pdfファイル高校生ICTConference2016 in 長野 開催報告書(PDF:735kB)

pdfファイル高校生ICTConference2016 in 長野 アンケート集計結果(PDF:980kB)